第82話 Each of the day to day
あと10日
Rito
「よぉ、Souta」
「おー」
「やってるか?」
「やってるよ、嫌になるぐらい」
「ははは
うん、いい顔だ、Souta絶対に受かる」
「顔だけで分かるのかよ」
「分かるよ」
Rei
「今日はどんなお悩みですか?」
「実は
好きな人がずっといたんですけど
彼には他に好きな人がいることが分かって
でも諦められなくて.....」
「そうなんですね.....」
「まずお相手の今の気持ちと
状況を見てみましょう」
Haru
「こんにちは」
「あれ、今日は確か
ボランティアの日ではなかったはず」
「近くを通りかかったのと
Akiraにプレゼントを」
「こんなにたくさんの本、ありがとう
Akiraくん喜ぶわ
ちょっと待ってて
今Akiraくん呼んでくるから」
Reila
フリーマーケットの日以来
口コミで私の絵のことが広まって
次々に依頼が来るようになった
こんなにたくさんの注文
間に合うかな
その人の悩みに合わせて絵を書いていく
Rito
「よし、Souta、最後のテストだ
これでほんとに最後だから
しっかりやれよ」
「分かった」
結果は
国語89点 数学92点 理科90点 社会65点
英語70点
「よし、あとは苦手なとこを
ひたすらやるしかないな」
「社会だな、苦手なのは
あと英語の単語
長文の単語がちょこちょこ分からないから
文章の内容が完全には理解できない」
「あと残りの時間は
暗記に使った方がいいな」
Rei
「彼の気持ちは
確かにあなたの言うように
彼には気になる人がいる
でもそれと同時に
あなたのことも気になってる」
「二人とも好きってことですか?」
「うーん
あなたともう一人の子のタイプが
違うから
二人に惹かれてる」
「私、どうしたらいいですか?」
Haru
「Akira、元気か?」
「今日はAkiraにプレゼント持ってきた」
「いらない」
「何でだ?全部プログラミングの本だぞ」
「Haruに教えてもらう」
「......」
Reila
この子の悩みは.....
来月手術を控えています
病室に絵をかざりたいので
お願いします
手術
じゃあ元気になるように
赤色のエネルギーを入れて
彼女のパーソナルカラーは
黄色だね
Rito
「Ritoくんもうすぐ夕ご飯できるわよ
食べてくでしょ」
「いつもすみません
ありがとうございます」
「何言ってるの
うちとRitoくんの仲じゃない
Soutaが高校に行っても
相談相手になってやってね」
「はい.....」
Rei
「どうしたらいいか......
どうしたらいいかは、私は決めないよ
決めるのはMikuちゃんだから」
「えっ、私?」
「そう
私はMikuちゃんが知りたいことを
教えてあげて
元気になれるようにヒーリングをする
そこからどうするかを決めるのは
Mikuちゃんだよ」
「私.....」
Haru
「俺も教えるけど、この本も渡しとく」
「いらない」
「ごめんなさいね、Haruくん」
「いえ」
「よし、分かった
この本は先生に預けとく
いつかAkiraが見たくなったら
先生からもらうんだぞ」
「.....」
「今日時間あるから
今からパソコンやるか」
Reila
色を混ぜ合わせて
夕日を書いていく
彼女の病気が良くなるように
あと10日しかないことが残念
ようやく使命を見つけたのに
Rito
「いただきます」
「はーい、たくさん食べてね」
「ありがとうございます
今日も美味しいです」
「良かった、どう?Souta の勉強は?」
「順調ですよ」
「ほんとに?
ありがとう、Ritoくん
ほんとに.....ありがとう」
「泣かないでください」
「RitoくんがSoutaを救ってくれたから」
......
Rei
「私.....諦められないです」
「そうだよね
だったら諦めなくていいと思うよ」
「えっ」
「目の前の現実は自分が作り出してるから
マイナスに考えたら
目の前の現実もその通り
マイナスな状況になる
ということは、プラスに考えたら
現実もそれに伴ってプラスに変わるから」
そう、作り出してるから
Haru
「今日はAkiraのやりたいとこやるか」
「......」
「どうしたんだよ」
「じゃあ、ここからここまで」
「えっ、こんなに
この量は時間がかかるな
今日だけじゃ終わんない」
「またHaru来た時に聞く」
「.....
そうだな、そうするか」
Reila
次のお悩みは......
好きな人と両思いになりたいです
メッセージはこれだけかぁ
両思い
そうだよね、なりたいよね
まず彼女のパーソナルカラーの水色と
それからピンクを混ぜて
混ぜて
......
......
何で私泣いてるんだろう
この世界は体があるから
感情もあって涙が出るんだね
あと少し
どうか彼女の想いが届きますように
Rito
「おふくろ?俺、Rito」
「どうしたの?
Ritoから電話なんて、珍しい」
「そうか?
いや、特に何もないんだけど」
「最近どう?元気にしてる?
何か困ったことあったら
いつでも言いなさいね」
「おー
あっ、そうだ、親父と仲良くな」
「なーに突然、あんた今日変だよ」
「そうか?じゃあ、切る」
「あっRito、体に気をつけてね」
「あー、おふくろもな」
ツーツーツー
Rei
「あっ、お母さん私」
「Reiちゃん、元気にしてる?
最近ラインかえってこないから
心配してたのよ、元気?」
「うん、お母さん......」
「どうしたの?」
「私ね、もうずっと
バイオリンやってないの
ごめんなさい」
「あぁ、そんなこと」
「えっ
お母さん知ってたの?」
「うん、なんとなく気づいてた」
「そうだったんだ、ごめんなさい」
「そんなことはいいの
Reiちゃんが幸せなら
今まであなたに厳しくしすぎちゃったから
これからは自分の幸せだけを考えてね」
「うん、ありがとう」
Haru
「Riku、Ren
久しぶりに三人で飯食いに行かねぇか」
Riku「何だよ、急に」
「たまにはいいじゃねぇか
好きなもん食っていいぞ」
Ren「じゃあ、肉」
「昔と全然変わってねぇな」
Reila
「お父さん、私」
「Reila、元気にしてたか?」
「うん、お父さんは?」
「あぁ、元気だ」
「そう、良かった
お父さんに絵を描いたの
明日届くと思うから」
「おっ、それは楽しみだな」
「じゃあ私、切るね」
「Reilaなんか話あったんじゃないのか?」
「ううん、ないよ」
「Reila、これからは好きなことしろよ
お父さんのことは気にしなくていいから
寂しい思いをいっぱいさせたから」
「ううん、私の方こそありがとう」
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