第80話 猶予期間

あと1か月





Rito


あと1か月か、この世界にいられるのも


はじめは早く上に帰りたいって思っていた


自分が何の為に誰の為に


生きてるのか分からなくて


自分の存在意義が見いだせなかった





でも今はSoutaの為に


何よりも片割れであるReiちゃんの為に


今は生きてるから





Rei

 

あと1か月しかない


けど特殊能力を伸ばすと苦手な分野が


伸びるということが分かったから


今の私にできることは


この特殊能力を使って


困ってる人の役に立つこと





ブログを開くと


相談メールがたくさん来てる


その中に





Reiさん


はじめて連絡します


実は最近離婚をしまして


現在ヒーリングサロンを立ち上げました


さまざまな悩みを抱えてる女性に


カウンセリングとヒーリングを行って


助けてあげたいと思っています


そんな中たまたまReiさんのブログに


出会いました

 

Reiさんのお力を


お借りいただけないでしょうか





私にできること


これだ!





Haru


カチャカチャ


監視室だけじゃなく


とうとうあの世界にも


つながることができるようになった





あと1か月


俺はこれから自分の宿命を変える


彼女でなければ意味がないから





カチャカチャ


誰でもいいわけじゃない


彼女じゃなければ意味がない


今までどこにいても


ずっと一人だったんだ 


これぐらいしたって罰は当たらないだろ





ピピピ


ピピピ


「司令センターのLailだ


えっ、Haruが侵入?


そうか


いや、いい放っておけ


どっちにしろ変わらないんだから」





Haru


ずいぶん人間らしくなったな





Reila


あと1か月





時刻は23時59分


そう、今日もあの世界に行く


石碑に手を当てる





今日も必ず会える


例えあなたが私に興味がなくても


想いは必ず届くって信じてるから


あと2分





会える





会える





会える





ほら、いた





「Reiだよ、あなたの名前は?


私もあなたと同じ


上から降りてきてるの


私のこと忘れないでね


Reiだよ、あなたの名前は?」





.....


「また来るからね、必ず」





あなたに反応がなくても


私何回でも会いに行くからね





あと20日





Rito


Soutaの受験まであと22日





「Souta、やってるな


受験まであと少しだな


Soutaに御守買ってきた」


「サンキュ


貴宝寺までわざわざ行ってきたんだ」


「まぁな」





「今日は志望校の過去問やってみるか


学校によってカラーがあるからな」


「分かった」





Soutaのお陰で俺の人生は息を吹き替えした


ありがとな





Rei


「Reiさん、はじめまして」


「はじめまして」


「お返事くれて嬉しかった」


「こちらこそ


私のことを必要としてくれて


ありがとうございます」


「あなたの未来を見通せる能力は


必ず色んな人の役にたつ」


「ありがとうございます」


「そういえば


心理学も勉強してるんだっけ?」





Rei


現在の数値


頭脳 900


精神 1500


特殊能力 1400





良かった、頭脳がようやく900まで来た


あと20日





Haru


今日はボランティアに来ている


Akiraがはじめて俺の名前を


呼んでくれてから


2週間がたった





「Haruくん待ってたわ」


「Akira元気か?」


コクリ




 

そうだよな


そう簡単にはいかないよな


そんなもんだ





「Akiraくんあなたが来るか心配してたの」


「えっ、そうなんですか」


「もしかしたら


もう来ないかもしれないって」


「.....」


確かに俺はこの世界にあと1か月


ぐらいしかいない





俺がいなくなったら


Akiraはどうなるんだ


また心を閉ざしちゃうのか


だったらこんなに仲良くならない方が


良かったのかもしれない





Reila


今日は友達がフリーマーケットに


参加するってことで


私も手伝うことになった





「Reilaせっかくだから絵を売りなよ」


「売れないよー」


「そんなことない、私の服だけじゃ


ぱっとしないから


ね、売ろう」


「うーん」




Rito


今日は久しぶりに貴宝寺に来た


前回


mission mobileの設定を変えると


それに伴って


3.5次元世界も変わるって分かったから


扉が開くまであと2分


Reiちゃんの地域に設定する


石碑に手を当てる


扉が開いた





今回はReiちゃんの地域だから


探しやすいはず


「Reiちゃん」


この中のどこかにいる


無表情な人たちをかきわけて


ひたすら進む


どこだ?





もう少しで現実世界でも会える


今君は毎日レベルを上げるために


頑張ってると思うから





あっ.....


ほんとにいた.....


「Reiちゃん、俺だよ、ありがとう


俺に大事なことを教えてくれて


俺、待ってるから


君は俺のたった一人の片割れだから」





Rei


「Reiちゃんすごい


あなたヒーリングもできるのね」


「できてます?」


「うん、できてる


どこかで習ったの?」


「いえ、習ったりはしてないです」


「じゃあ今日から


お客様にやってもらうから」





Haru


なんとか新作ゲームのプログラミングを終え


期限より早めに提出する


RRRRR


RRRRR


「はい」


「Haru」


「斎藤さん、どうしたんですか?


こんな時間に」


「いや、ずいぶん早く仕上げたな今回は」


「あぁ、いや前回はギリギリだったんで」


「早い分にはこっちは助かるんだけどな


ということで


また次回頼むな、また連絡する」





「あっ、斎藤さん」


「なんだ?」


「あっ、いや.....」


「なんだよ笑」


「ありがとうございました、色々と」


「なんだよ、改まって


もう終わりみたいな雰囲気じゃねぇかよ


お前どっか行くのか?」


「いや、行かないですけど」


「ははは


お前らしくないな


また、連絡するから」





Reila


「きれい、この絵」


「ありがとうございます」


「あなたが描いたんですか?」


「はい」


「この絵ください!」


「えっ、ありがとうございます」


「ほらね


Reilaの絵は人を惹きつけるんだから」





Rei


現在の数値



頭脳 999


精神 1550


特殊能力 1450


ピピピ


ピピピ


Special reincarnation person Rei


(特別転生者 Rei)


All of the numerical value has exceeded 999


(すべての数値が999を超えました)





Reila



現在の数値




頭脳 1000


精神 1350


特殊能力 1400





ピピピ


ピピピ


Special reincarnation person Reila


(特別転生者 Reila)


All of the numerical value has exceeded 999


(すべての数値が999を超えました)










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