第57話 京都 Rito Haru
Rito
京都に到着
今回は一人旅
特に誘いたい友達もいなかったし
Ryoを誘ったがバイトがあるらしく断られた
今回は観光はしない
目的はただ一つ、貴宝寺
来てすぐにお土産屋を物色する
バイト先と母親にも買っていくか
大阪に来てから
母親とはほとんど連絡をとっていなかった
あとはSoutaの家か
京都といったら、やっぱり八ツ橋だよな
Soutaは何を買っていっても
うるせぇの一言だろうな
お土産選び終了
することもなく速攻ホテルへと向かう
Haru
反抗期の弟を連れて京都に到着
3人で仲良く観光という雰囲気でもなく
とりあえずお昼を食べに
近くのレストランに入る
鴨南蛮そば1300円
高っ
それにせっかく京都に来たのに
どこにでもありそうなレストランに
入ってしまった
まぁ、いいか
「今回はRikuの合格祝いだ
好きなもん食っていいぞ」
Riku「じゃあ、すきやき御膳で」
Ren「俺も」
食べ物だけは反応を示す
すきやき御膳
.....
2500円
高っ
まぁ、仕方ない国産牛A5ランクだ
美味そうだな
たまにはいいか
俺もそれにするか
「すみません、注文いいですか?」
「はーい」
「すきやき御膳.....
すきやき御膳.....
......
2つに
鴨南蛮そばで」
Riku「兄貴ビビったな」
久しぶりにRikuが笑ってる
「ちげーよ
俺は鴨南蛮そばが食べたいんだ」
そう
鴨南蛮そばが食いたいんだ
俺の意思で
決して金額にビビったわけではない
わけではない
だって2500円だぞ
Rito
ドサッ
かばんをベッドに放り投げ
さっき買ってきたコンビニ弁当を食べる
京都に来てコンビニ弁当笑
一応、京都限定のすき焼きコロッケも買った
俺なりに京都を満期している
今回は目的がシンプルだったため
1泊2日の予定だ
だから今日は絶対に逃せない
携帯のアラームを23時20分にセットして
テレビをつける
京都にいる以外は
いつもの休日となんら変わりない
Haru
男3人京都旅行
良かった、1泊にしといて
全くもって盛り上がらない
お昼を終えて、お土産屋に直行
一応バイト先には買っとくか
あとは友達もいないし、いいか
なんか俺、寂しい奴だな
お会計をしていると
Rikuが何かをずっと眺めている
なんだ?
見ると
この辺りに縁結びで有名な神社があるらしい
Riku、好きな子でもいるのか
そういえば普段そういう話
一切しないからな
「ここ行ってみるか」
「行かねーよ」
「何でだよ
他に行くとこないんだし行こうぜ」
恋愛毛の全くない俺に言われてもって
感じかもしれないが
正直、全く興味はない
こんな神頼みでうまくいってたら
皆毎日通うだろ
「な、行こう」
「だから行かねーよ」
頑固だな
「じゃあ俺とじゃんけんして
俺が勝ったら行くっていうのはどうだ」
そのやりとりをRenが
どうでも良さげな顔で見ている
俺だってどうでもいいけど
今日はRikuのお祝いだから
「じゃんけんて、いい年してなんだよ」
「うるせぇ
やるのかやらねぇのか
やらないなら強制的に俺の勝ち
夕飯もなし」
「何だよそれ」
「じゃあ、やるんだな」
俺は何を熱くなっている
最近の俺は何かがおかしい
この世界に来ておかしくなった
「わーかったよ
やりゃあいいんだろ、やりゃあ」
「よし、
じゃんけんポン!」
俺のバカ、こんな時に負けるなんて
一瞬3人の間に俺が負けたことによる
神社行けないじゃないかという
微妙な
残念な空気が流れる
ここは一発で勝って
神社に行くというのが本来の流れだろうが
「3回勝った方が勝ちな」
「さっき言ってなかったじゃねぇかよ」
「う、うるせぇ
言い忘れたんだよ」
「じゃんけんポン!」
よし、勝った
あと2回
で、結局今神社へと向かっている
結果は1勝3敗
ちなみに1は俺
そう俺は結局負けた
何で神社に行くことになったかというと
Ren「俺、この神社行きたい
最近好きな子できたんだよね」
だったら最初にそれを言え
俺のあの努力は一体なんだったんだ
Riku「Renが行きたいなら仕方ねぇな
行ってやるよ」ということで
男3人で今縁結びの神社に向かっている
Riku
ピピピッ
時間だ
貴宝寺に行く準備をする
夏だがこの時間になると
さすがに辺りは真っ暗だ
ここから歩いて20分だ
今の時刻は23時40分
今日を逃したらまたしばらく来れない
急ぎ足で寺を目指す
Haru
無事縁結び神社を後にし
夜はコンビニの焼肉弁当がいいということで
弁当を買ってホテルに向かう
結局肉が食べれればいいんだな
Ren「昼の肉と同じぐらい美味い」
いやいや
それはまずいだろう
昼はA5ランクの肉だぞ
「おー、そうか、良かったな」
心ない返事をする
神社に着いてからも一波乱あった
Ren「俺、縁結び絵馬書こうかな」
Haru「おっ、書け書け
Rikuも書いたらどうだ?」
Riku「そんなもん書くかよ」
そう返ってくるって分かっていた
でもせっかく来たんだから書いとけよ
Haru「じゃあいい、俺が書く」
Riku「勝手に人の絵馬書くなよ」
まぁ、そうなるよな
Haru「お前の絵馬なんか書くかよ
俺のだよ」
一瞬シーンとなる
なんだよ
俺にはそんな相手いないだろみたいな
Riku「兄貴、好きな子いるのかよ」
なんだよ、そのいないだろみたいな
Haru「俺だって
お前らに言ってないだけで好きな子ぐらい
いるんだよ」
Ren「じゃあ、兄ちゃんも書きなよ」
Renはまだまだ素直だな
Haru「おう」
さぁ、書くか.....
.....
.....
Rikuの絵馬を
相手の名前まさか聞けないしな
まぁ、いいか
書くことに意義がある
Rikuが、俺の弟の木塚Rikuが
好きな子と
両想いになりますように
できる限り具体的に書いた
好きな子のとこもっと
具体的に書いた方が良かったかな
情報がないんだよな
下手に書いたら逆に良くない気がする
たかが絵馬に俺は何をしてるんだ
というわけで疲れた
ホテルでベッドに横になりながら
携帯を見ると23時30分
もうこんな時間だ
今日を逃したらしばらくチャンスはない
Haru「ちょっと出かけてくるな」
Ren「兄ちゃんどこ行くの?」
Haru「電話だよ、電話」
Ren「もしかして今日言ってた
好きな人?」
もう何でもいいや
Haru「それだ、それだ」
やばい時間だ
急いで貴宝寺を目指す
Rito
貴宝寺に到着
時刻は23時55分、ちょうどいい時間だ
石碑の前に立ち
もう一度書いてある言葉を読む
あとで解読できるように
携帯のカメラで写真を撮る
バシャッ
修学旅行の時のように石碑に手を当ててみる
Haru
着いた、ここだ
時刻は23時57分、ギリギリだ
石碑の前に立つ
石碑に手を当ててみる
Rito Haru
手を当ててしばらくすると
あの時のようにいや、
あの時以上に光っている
Rito 7月10日 時刻0時00分
Haru 7月11日 時刻0時00分
扉が出現し、扉がゆっくりと開く
開いた
ゴクッ
中を覗き込む
なんだ、ここは
銀河司令センターではないのか
人がひたすら表情も変えず
行ったり来たりしている
この世界との違い
体が半分透明であること
Riku なんなんだ、ここは
Haru どういうことだ
時刻0時2分
あと3分で扉が閉まる
とりあえず中の人に声をかける
Rito「おーい」
Haru「おーい」
聞こえないのか返事はない
時間がない
思いきって中へと入る
Rito「おい、聞いてるか」
Haru「聞こえねぇのか」
すると今度は聞こえるらしく振り返る
ただ返事は来ない
しばらくしてまた忙しそうに動き出す
あと1分で閉まる
ふと下を見ると
下にも世界がある
こことは違って下の世界は真っ暗だ
時計を見ると
Riku Haru まずい、扉が閉まる
慌てて扉を後にする
ハァ ハァ ハァ
ハァ ハァ ハァ
バタン
後ろを振り返ると扉が閉まって
もとの石碑に戻っていた
今のなんだったんだ
改めて石碑に書いてある文字を眺める
この世界と上の世界をつなぐと言われている
つまりこの場所は
次元と時空をつなぐ場所である
上から下に降りてくる魂は
必ずここを通って降りてくると言われている
夜中の0時から5分間その扉が開く
しかしその扉は誰にでも見えるわけではない
見える者はつまり上から降りてきている魂だ
扉を何度も叩く者、現実へと反映する
己が達した時にこの意味が分かるだろう
そのことは誰にも言ってはならぬ
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