第52話 接触 Rito side

今日はじめて兄貴に会う


メールでは頻繁にやりとりをしていたが


会うのははじめて


メールしてて思っていたが


めちゃくちゃ気があう





皮肉にも親父が外で作った子だが


兄貴は兄貴で苦労したと思う





カフェの窓際の席で待ち合わせすることに


なっている


電車が遅れていた為


だいぶ待たせてしまった





急ぎ足でカフェの前を通りかかると


兄貴の隣に女の子が座っている


もしかして彼女か?





「はじめまして」


その瞬間彼女がすごくびっくりした顔を


していた


? 


彼女の名前はReiちゃんで


どうやら同い年らしい


彼女かと思ったが、彼女ではないらしい





兄貴とはメールでやりとりしてたこともあり


打ち解けるのにあまり時間はかからなかった


兄貴と話していると


時々チラチラReiちゃんの視線が飛んでくる





明らかに様子がおかしい


うわの空って感じだ





兄貴は隣に座っているからか


彼女の異変には気づいていない





なんだろう


彼女は不思議だ


今まで出会ったどの子とも違う感じ


透明感があるのもそうだし


うまくいえないが何かが違う





それに可愛い


女の子を見て可愛いと思ったのは


はじめてかもしれない





メールでは聞いていなかったが


兄貴にはちゃんと彼女がいるらしい


良かった


Reiちゃんとは付き合ってないんだほんとに


俺、何で安心してるんだ?





しばらくして突然彼女が帰ると言い出した


正直残念だった


いつもなら軽いノリで


連絡先交換するんだけど


なぜか彼女にはできなかった


兄貴がいたっていうのもあるけど


それだけじゃない





彼女には近づいてはいけない


近づけない


近づくのがこわい





こんなこと思ったのははじめて


とっさにまた、なんて言ったけど


もう会うこともないのか.....

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