第44話進路
in the case of Rito
高校3年の冬休み
もうすぐ大学受験だ
中学に遊びまくったツケが
高校になった今でも相変わらず
つきまとっていて
夏休みから予備校に通いだした
東京には大学がたくさんあって
選び放題だったが
東京の大学に行くつもりはなかった
大阪の大学に行く予定だ
本当は京都の大学に行こうと思っていたが
不思議なことに
京都には大学が存在しない
で、近くの大阪にした
俺の兄貴という人は一個上で
兵庫の大学に通っているらしい
偶然にも近くなる
大阪に行ったら会おうと言われていた
in the case of Rei
高校3年の冬休み
塾と家庭教師で忙しかった
はじめて自分で学校を決めたいと
親にお願いした
兵庫の大学で河原先輩と同じ大学を
目指していた
いつもなら反対されるところだけど
さすが河原先輩が行く大学なだけあって
かなりの名門
親からも特に何も言われなかった
今の成績ではまだまだ合格ラインに届かない
ここなら京都からも近いし
言うことなし
in the case of Haru
冬休み
塾に行くお金なんかないから
独学で勉強する
大学は滋賀の国公立に行くことを決めた
奨学金も予定通りもらえる
ようやくこの場所を出れる
京都の大学に行くと決めていたが
調べによると大学はない
どうやら京都は完全に観光地帯らしい
確かに一度修学旅行で行ったが
独特な雰囲気があった
それからもう一つ
弟たちも一緒に連れていくことにした
散々悩んだが、預けることができなかった
あんなにうっとおしく思っていた弟だが
いざ預けるとなると
なぜかできなかった
in the case of Reila
高校3年の冬休み
高校入学当初は大学なんて
全く考えていなかったけど
美術部に入って絵を描く楽しさが
分かったら
大学も行こうって自然と思えるようになった
だから先輩には感謝してる
奈良の美大を目指している
Rito Rei Haru Reila
ほんとは京都の大学に行こうと思ってたけど
京都に大学は存在しない
だから近くの大阪の大学に
兵庫の大学に
滋賀の大学に
奈良の美大に 行く
貴宝寺が気になるから
あのお寺には何か秘密がある
今はまだ分からないけど
きっと何かある
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