第37話 進学

Rito 公立高校に進学


Rei 予定通り私立の共学に進学


Haru 地元の公立高校に進学


Reila スポーツ推薦を諦め公立高校に進学





in the cace of Rito



高校生活満喫してるかと聞かれたら


別に普通


可もなく不可もなく


中学の時に散々遊んだこともあり


高校に上がってどうでもよくなった





ただ中学の学力で


受かった高校ということもあり


周りは中学の友達の延長という雰囲気


高校に入ってからは


誰かとつるむことは選ばなくなった





無意味だと気づいたから


この空白は埋まらないと分かったから





ただ一つ


二ツ木先生にもう一度会いたいと思う


過去の自分を振り返ると後悔しかない


「折原くんの大事な時期に関わりたい」


今がその時だよ


もう突然現れたりしないんだな





おそらくもう誰のことも


本気で好きになることは


ないだろう





そんな俺が最近力を入れていることバイト


大学には行くつもりだった





母子家庭ということもあり


学費は自分で稼ぐつもりでいた


将来の夢なんて特にないけど





in the cace of Rei


家庭教師と塾の効果が出て


なんとか第一志望の学校に合格


小学校と中学校で人間関係には懲りた


だから高校に入ってからは


関わらないって決めていた





友達なんかいらない


上の世界から降りてきて5年が経つ


慣れたか慣れてないかと今聞かれたら


やっぱり慣れない





常に違和感がある


それから人生に疲れた


今まで自分なりに


お稽古に勉強にと家の方針に従ってきた





でもそれが一体何になるというんだろう


気持ちが湧いてこない


何のために頑張ってるのかが分からない


特別missionと関係あるの?





Miiaからも連絡が来ない


ずっと見守ってくれてるんじゃなかったの?


どうして大変な時にほっとくの?


私もう疲れたよ





今日はじめてバイオリンのお稽古をさぼった





in the cace of Haru


高校の窓から見える景色


いつもと変わらない相変わらずな景色


当初の予定では今頃は東京にいる予定だった





結局俺は期限ギリギリまで悩んで


全寮制の高校を諦めた


で、家から通える高校に自転車で通っている





母親は相変わらず入院している


実はここ最近体調が優れない


兄貴には知らせていなかった


そろそろ知らせるべきなのか





弟たちはようやく


小学校3年と中学校1年になった





俺の転生設計は大幅に狂った


何度も父親と母親を恨んだ


だが恨んだとこで現実は変わらない





はぁ


今日は久しぶりに弟たちを連れて


母親のお見舞いに行く予定だった


二人を連れていくのは久しぶり


入院した時以来だ





母親の希望で会わせていなかった


今日は内緒で連れていく予定


病状がよくないことは分かっている





無愛想な俺を見るより


素直な二人を見た方が


病気も良くなるってもんだ

 




in the cace of Reila


スポーツ推薦を諦めて


なんとか気持ちを切り替えて


一般入試で合格した





目的がなくなった今


高校なんか行かなくてもいいと思った


でも父親に猛反対されて行くことにした





普段ほとんどいないくせに


こういう時だけは口を出してくる


ほんとにこういう時だけは





新入生歓迎会


いわゆるクラブの勧誘


皮肉にもこの高校はバレー部が有名だ


だから勧誘も盛大にやっている


もうバレーができない私には


関係のない世界だ





バレー部にいた頃は


この高身長が自慢だったが


やらなくなった今


この目立つ身長がうっとおしい





男子よりも高いなんてことも普通にある


急に身長の低い子たちが羨ましくなる


でも一度高くなったものを


低くすることはできない





そんな中声をかけられる

 

「美術部に入りませんか?」


えっ、何で私


答えは決まっている


「いえ、大丈夫です」

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