第32話3次元世界へ 二ツ木Towa

three





two





one





Welcome to the 3dimensional





降りてきた


今日から私は小学校の先生


1週間後にRitoが降りてくる


そのためだけに条件つきで降りてきた


束の間の3次元





Ritoは私を見ても誰だかわからないし


私から伝えることは許されない


それでもいい


最後にあなたの役に立ちたかったから


今度こそ結ばれて


幸せになってほしいから





今日は登校日初日


当たり前の様に教室に入っていく


子供たちは私に


違和感を感じている様子もなく


あたたかく迎えてくれる





いつまでこの世界にいられるかな


今回は条件つきだから


必要最低限の環境しか与えられていない


短期間しかいないと


想定されてのことだと思う





仕事、一人暮らしする家ぐらい


親は設定されていないし


おそらく友達もできないだろう


誰かと話すことはあっても必要最低限






今の時刻は3次元世界でいう午前7時


Ritoが今降りてきた


mission mobileにその様子がうつっている


そのあとのことは前に書いた通り





で、今ラーメンを食べてるところ


髪の毛を茶色に染めてピアスをしてるRito


残念だけどこの先の彼を


見届けることはできない





闇はさまざまな形で現れる


物体として現れることもあれば


感情に入り込んできたり


彼にとって今その時なんだと思う





私には手助けはできない


いつかすべてを乗り越える日が必ず来るって


信じてるよ


本当のことは伝えられないから


今伝えられる精一杯の言葉を探す





これだけは覚えておいてね


先生はいつも折原くんの味方


例えどこにいたとしても


折原くんは優しくて思いやりがあって


どんなことがあっても


そこからまた立ち上がれる


マイナスなこともプラスに変えれる





最後なのにほとんど会話を交わすことなく


終わっちゃうんだね





もう少し大人になっていたら


もっと会話ができたのかな


でもその時は私はおばさんになってるね


この世界は年をとるんだから





今が一番いい時期なのかもしれない


最後には一番いい時なのかもしれない





反抗期もあってか


ほとんど目も合わせてくれない


駅に着いたら私は消えてしまう





「バイバイ折原くん


最後にこっち向いて」





これでほんとにほんとにお別れだね


あなたに出会えたこと忘れないよ


何度も転生しては


その度にうまくいかなくて


そんな縁なのかもしれないけど


忘れないよ





あぁ終わった





次の瞬間


Dimension Elavatorの中にいた


もう少し余韻があっても.....


改めて終わったことを実感する





戻ると待ち受けていたのはLail


「任務ご苦労


じゃあ今から記憶を消すよと言っても


君は記憶が消えないんだったね」


「えぇ」





おでこに手を当てられる


「終わりだ、やっぱり記憶はあるか?」


ある、あるけど


すべてではないのかもしれない


そんな気がする





「一応......」


「そうか


その特殊な能力は司令センターに必要だ


一度精密なレベルの検査をしてみよう」


「はい」





「検査の結果によっては


司令センターのメンバーの一員として


迎えたいと思っている


特別missionの参加経験はあるか?」


「過去にありますが、失敗に終わっています


頭脳のレベルが私は足りていないと


思います」





「そうかもしれないな


ざっとみた感じ


精神と能力が優れているな


特別missionをクリアすることも


司令センターに入る条件の一つだからな


また1000年後もある


今後のことはゆっくり話しあおう」





Lailの特殊能力は


その人の顔を見ただけで


レベルの数値が分かる





「はい」





忘れないよ


他のことは消えてしまっても


あなたの記憶だけは忘れないよずっと



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