第29話 Each of the road
Rito Rei Haru Reila
3次元世界でいう中学生
Rito は地元の中学に
Reiは母親の母校でもある市立の女子校に
Haru Reilaも地元の中学に
それぞれ進学する
in the cace of Rito
気づけば中学
今振り返るとあっという間だった
中学生になることは構わない
ただ担任だった二ツ木先生との別れで
ぽっかり心に穴が空いてしまった
一方的な片想いだって分かっていたし
先生からしたら俺はただの子供
卒業式に先生からもらったメッセージを
何度も読み返す
卒業、おめでとう
いよいよ中学だね
折原くんとは他の生徒たちよりも
想い出がたくさん
またいつかどこかで
あなたの人生の大切な時に
関われることを願っています
もう会う予定もないし
連絡先すらも知らないのに
関われることを願っています
何度読んでもこの言葉の意味が分からない
入学してすぐにクラスの女子に
いわゆる告白をされたけど
好きになれなくて断った
小学生の時も好きって言われたりもしたけど
そんな気持ちにはなれなかった
もしかして
俺は人を好きになれないんだろうか
でも先生のことは純粋に好きだった
母親の帰りが遅いのにも慣れ
いつしか寂しいなんて感情もどこかに行き
友達と夜遅くまで遊ぶようになった
先生という心の支えがなくなった今
すべてがどうでもよかった
髪の毛を茶色に染めて
ピアスをあけて
流行りのセーターに流行りのカバンに
ただ馬鹿騒ぎをする
楽しいかって聞かれたらよく分からない
でも人生なんてそんなもんだろ
in the cace of Rei
中学は私立の女子校
いわゆるお嬢様学校だった
ようやく浮くこともなく
周りの子も同じように毎日忙しそう
ピアノやら塾やらフルートやら
忙しくしてるのは自分だけではなかったと
こういう家庭環境の子たちは
共通して忙しいんだってことが分かった
小学校生活は今振り返ると
よく思い出せない
一部記憶が抜け落ちてるような感覚
あの学校にはいい思い出はないのに
なぜか卒業式は涙が止まらなかった
いつ作ったのか忘れてしまった
肌身離さずつけてたミサンガが
擦り切れちゃってる
何度か捨てようと思ったけど
なぜか捨てられなかった
中学では友達を作ってなんて
いろいろ想像してたけど
ちょっとしたことがきっかけで
先輩に目をつけられてしまう
お母さんに買ってもらったブランドの財布が
たまたま先輩と全く同じだった
たったそれだけのことで
たったこれだけのことなのに
この世界ではいじめになってしまうんだね
in the cace of Haru
ようやく中学
ここまで長かった
兄貴は春から全寮制の高校に通うことになり
東京に行ってしまった
優秀だった為、授業料は全額免除だった
仕送りはあてにせず
学校に行きながら
アルバイトもしているらしい
昔から親孝行だった
俺もあと3年我慢して
こんな家、こんな田舎とはお別れだ
はぁ
あと3年もある
俺の目標はただ一つ
効率よくレベルを上げて
最短距離でmissionをクリアすること
友達なんかいらない
馬鹿みたいに騒いでる奴らに興味はない
つるんでる奴らの気持ちが
理解できない
あんなことをして何の役に立つんだ
中学になって恋愛だの付き合うだの
周りは騒がしいが
人を好きになって何が楽しいんだ
相手に自分の時間を奪われるぐらいなら
俺は一人でいい
そんな俺にも一つ変化が
パソコン部に入った
上の世界よりは劣るが
ないよりはましだ
今までの分の遅れを取り戻す
in the cace of Reila
気がつけば中学生
あっという間だった
地元の中学に行ったから
顔見知りの子がたくさん
制服を着るようになったぐらいで
他は特に変化はなかった
相変わらず父親は不在がち
今もロンドンに行っている
中学になると友達を家に呼んで
お泊り会をしたり
こっちはこっちで好きにやっていた
春の部活の勧誘を見て
バレー部に入ることにした
ただ単純に身長が高かったから
先輩に褒められて嬉しくて
ただそれだけで入った
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