第28話 別れ Erase the memory

Seia転生終了日の朝


時刻は3次元の世界でいう6時


きっとKeiはもうすぐ来るだろう


これでほんとに終わりだ





悔いはないといったら嘘になる


でも今の気持ちのまま


mission続行はできない


かといって、トラブルもなく


Reiちゃんに出会わない方が良かったか


と聞かれると、そんなことはない


出会えて良かった


だからこれで良かったんだ





ベッドの上でぼーっとしていると


窓に何かが当たる音がした


Keiもう来たんだ


窓を開けると、そこには





えっ、Reiちゃん





慌てて階段を降りて下に向かう


Rei「Seiaくん、今日で最後なんだよね?」


もう嘘はつけない


Seia「うん、ごめん」





Rei「謝らないで、私お礼が言いたくて


いつも一人だったから


Seiaくんのおかげでこの4日間


すっごく楽しかった


これ、お揃いのミサンガ作ったの


ここで作った物だから


司令センターに戻ったら


消えちゃうのかな」 


Seia「ありがとう、消えないよ絶対に」





Kei「Seia、Reiちゃんもいたのか


ほんとは別々にする予定だったけど


Miiaも呼ぶか」





しばらくして


Miia「Rei!


すべて分かってたのね、ごめんなさい


私のせいで」


Seia「これで良かった


Reiちゃんに出会えて良かった」


Miia「Seia...」


Kei「そろそろ行くぞ」


Seia「待って、Reiちゃん」


手を差し出す





これでほんとにお別れだね


お互い記憶は消えても


魂は忘れないよ、またいつかどこかで......





Kei「よし、行こう」


Rei「Seiaくんありがとう


私頑張るからね」





忘れないよ、Seiaくん


いつかまた必ず会おうね





Miia「Reiも学校に行く前に


やらなきゃいけないことがある」





Reiはありったけの想いをこめて

 

ミサンガを握りしめる


記憶は消されても


ミサンガにその記憶が残るように


できるかどうかは分からないけど


今できることはそれしかないから





Miia はReiのおでこに手を当てる


Seiaとの記憶たけを消していく


Miia「よし終わり、学校行っておいで」





Kei「Seia、ほんとにほんとに


いいんだな?」


Seia「うん、もう決めたから」


Kei「分かった


じゃあDimension Elevatorに向かうぞ


そのミサンガはこの世界の物だから


上に行ったら、おそらく消えると思う」





Seiaはポケットにしまう


Kei「乗って」


行きと同じように10分ほど乗ったところで


銀河司令センターに着く


Kei「まず、Kaizaに報告だ」





ふとポケットに手を突っ込むと


えっ、ある


まだちゃんとミサンガある


Reiちゃん消えてないよ、ミサンガ


俺は今から記憶を消される


ミサンガに忘れないように想いをこめる





Kaiza「Seia、よく戻ってきた」


Seia「怒ってないんですか?」


Kaiza「怒る?怒ってはいない


君の信念のもとに起こした行動なんだから


結果は残念だったが」


てっきり怒られるんだと思ってた


   



Keiと一緒に戻る


Seia「Keiは明日からどうするの?」


Kei「俺か?


俺はSeiaの代わりに転生するこの


サポートだ」


Seia「迷惑かけちゃったな」





Kei「そんなことはない


彼はこれで徳を積むことになる


それがレベルに反映されるから


彼からしたら光栄なことだよ」


Seia「そっか」


Kei「じゃあ記憶を消すよ」


Seiaのおでこ に手を当てる  


今回の転生の記憶をすべて消していく





ふとKeiがSeiaの手元を見ると


消えてるはずのミサンガが


しっかりと腕にはめられていた





Kei 不思議だな


普通3次元の物は5次元世界には


持ち込めないから、消えるんだけどな


ほんとに想いは時に奇跡を起こすのかも


しれないな





Kei「よし、Seiaこれで終わりだ」


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