第10話 日常Rei
この世界に降りて来て3か月ぐらいが経った
慣れたか慣れてないかと聞かれたら
正直まだ慣れない
毎日が忙しかった
学校から帰ってきてもお稽古でびっしり
遊ぶ時間なんてない
学校では1人だけ浮いてしまっているし
私の居場所はここではないという気持ちが
いつもどこかにあった
お父さんもお母さんも家族なんだけど
本当の家族ではないという感覚
まぁ、上から降りてきたわけだし
設定された家族なんだから
この違和感は仕方ないんだろう
でも何かが違う
うまく説明できないけど
「ねぇ、ママ」
「お母さんでしょ」
「お母さん
私もみんなみたいにキャラクターの服とか
みんなと外で遊べる服着たい」
「キャラクターはやめなさい
Reiが着てるお洋服はいいものなのよ」
「でもね、なんかみんなと違って
私だけクラスで浮いてるの」
「あなた、やっぱり私立の学校の方が
いいと思うの」
「公立でいい、公立を馬鹿にしてるのか」
お父さんの実家はお金がなかったらしく
公立の学校に通っていて
高校と大学の学費は自分で払ったらしい
いわゆる苦労人だ
だから子供にも
お金あるないに関わらず
公立に行かせるという方針だ
みんなと同じ雰囲気になりたかった
ここに来て3か月
まだ友達らしい友達が1人もいなかった
たとえ友達を作ったところで
放課後は
お稽古だから遊ぶこともないんだけど
今日は日曜日
唯一お稽古が入っていない日だった
これ以上服のことを訴えても平行線
仕方なく自分の部屋に戻る
はぁ
ベッドに寝転がって天井を見上げる
久しぶりにmission mobileが
鳴っている
Miiaだ
Rei元気にしてる?
そっちの生活はどう?
異変はない?
異変?はないけど
違和感は常にある
Miiaへ
まだ慣れないの
こっちは毎日忙しくて
学校でも1人浮いてるし
たまにここは私の居場所じゃないって
思うことがある
降りてきてるから
居場所ではないことは確かなんだけど
そう、忙しいのね
見てるとお稽古をたくさんしてるのね
ごめんね
今忙しくしていることが
いつかきっとReiのためになると信じてるわ
ごめんね
Miiaが謝ることではないのに
ううん、Miiaのせいではないから
謝らないで
とりあえず頑張るね
この頑張ってることが
いつか実を結ぶんだもんね
そう
あなたはあなたが思ってるよりも
強いんだし、すごいんだから
また連絡するわね
Miiaからの連絡で
久しぶりに特別missionに参加していること
を思い出す
そうだ、宿題やらなきゃ
国語はいいんだけど
算数がほんとに苦手
教科書を開いただけで頭が痛くなる
でも苦手を克服していかないと
テストの点が40点をきったら
算数の家庭教師をつけると言われていた
前回は43点、ギリギリだった
もうこれ以上お稽古は増やしたくない
日曜日まで埋まってしまう
一方5次元世界
はぁ
Rei、大丈夫かな
違和感て言ってたなぁ
やっぱり本来の転生先と違うから
違和感はあるよね.....
確かに毎日お稽古お稽古で大変そう
この努力が
彼女の特殊能力につながるといいんだけど
きっと京都にいたら
今頃ここまでは忙しくはなかったはず
でもこっちはこっちの大変さがありそうね
missionに参加してる限り
そうそう楽な環境はないから
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