ある少女の宣誓を聞いて
少年は登壇した少女の姿に驚いた。中学に上がったばかりの自分と同い年とは思えないほど、彼女は凛として眩しく見えた。
だからこそ、多くの人間から支持を受け、彼女は壇の上に立っている。
だが、少年にとって少女は死神に等しい存在だ。
「私が生徒会長になったからには、この学園をより健全な競争の……」
聞こえてくるのは美辞麗句。だが、少女の言葉に嘘がないという確信が自然と湧き上がってくる。それだけの力強さが、彼女の振る舞いから伝わってくるからだ。
他の人間が口にすれば、冷めた視線しか集めないはず。だが、彼女が訴えるなら、この場の全員が熱狂を持って迎え入れるのだ――少年自身を除いて。
掲げられた七つの約定。
生徒達が歓喜をもって受け入れようとしているソレが、もし単なる絵空事ならどれだけよかっただろうか。
しかし、きっと真実であり、実現されるもの。
少年から全てを奪う約束が、全ての生徒の前で告げられる。
「どうして神様は僕だけを愛してくれないのだろうか?」
かくして少年の胸に刻まれる負の感情は、一つの呪いとして完成したのだった。
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