第4話 森の長老の家で
目覚めると俺はなぜか布団に寝かされていた。
室内を見渡すのだが、またもや見たことがない光景が広がっている。
木造で、妙につくりが古い。
うーむ。
どうして俺はこんなところにいるのだろうか……エルフさんと一緒にいたはずなのだが……
もう、何が何やら、現在が夢なのか現実なのかもわからん。
ギ、ギィー
扉が開く音が聞こえてくる。
誰かが入ってくるようだ。
一体誰が入ってくるのかとドキドキしながら見守っていると、部屋に入ってきたのは、見知らね老人だった。
そして、もう一人エルミアさんが入ってきた。
「エルミアさんだ」
思わずマイスイートハニーとの再会に歓喜の声をあげる俺。
現在が夢の続きであったことに至極喜ぶ俺。
しかしエルミアさんはぷいっとそっぽを向いた。
おれ?
どうしちゃったの?
エルミアさん。
「目が覚めたようじゃな」
そう言って、老人は俺の目の前に腰を下ろし、ちょっと離れたところにエルミアさんが座った。
おい、老人よ。なんでエルミアさんの前にお前が座っているんだよ。エルミアさんを鑑賞できないじゃないか。
それにしてもエルミアさんの視線が痛いのだが、なんでだっけ?
とりあえず、現在の状況を確認しておくか、というわけで、俺は老人にここがどこか尋ねる。
「わしの家じゃよ」
と、老人が答えた後に、エルフさんが口を開く。
また、あの美声が聞こえるのかとドキドキしていると、
「まさか、公人がうんこだとはおもわなかったわ」
「うんこにはみえないのじゃがな……」
「え、うんこ?
ひどい、人を排泄物呼ばわりして……」
「何をいっているの? うんこのくせにうんこと言って何がわるいの?」
エルフさんは至極ご立腹の様子である。
なんでこんなに怒っているんだ?
「もしかして、うんこを知らないの?」
その言葉にさすがの俺も頭にきて、
「うんこくらい知ってるよ。お尻から〇〇あれだろっ!!!」
「それは、排泄物っていうの!!!
うんこというのは、罪を犯した咎人のことよ」
この世界では、『うんこ』は咎人のことを言うらしい。
とりあえず俺が想像していたものでなくて、よかった(よかったのか?)けど、
いつのまにか罪を犯していたのか……
「とはいえ、この青年からは、ただならね何かをかんじるのじゃが……」
うるせーよ。
俺はエルミアさんと話しているだから、お前はどっかにいけ。
とりあえずエルミアさんの機嫌を回復せねば、きっと何か勘違いしているのだろう。
「エルミアさん、もしかして俺がエルミアさんのおっぱいをさわらせて欲しいと言ったことを怒っていますか?」
「公人覚えていないの? そう言って、世にもおぞましい顔で私の胸に触ってきたくせに」
「わっはっはっはー。お前さんも思い切ったことをしたのー」
「エルフの胸は神聖なものなのよ。契りの儀式なしで触るなんて信じられないわ」
「それじゃあ、その契りの儀式とやらを交わしましょうよ。そしたら好きなだけ、そのおっぱいをさわらせてくれるんですよね?」
エルフさんは、顔を真っ赤にして俺を指さし言った。
「こいつを今すぐ殺しましょう!!!」
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