任意入院と退院日決定
8月31日金曜日・
広日記13時4分『「お母さんが到着したから来て」ということで成田先生が診察室に呼びに来る』
診察室で三者面談が始まる。
成田「まずデイケアセンターについて、デイケアセンター見学してどうだった?」
広「通いたいと思った」
成田「どんな風なところが?」
広「全ての日に無理して通わなくて良いのと、その日の全てのプログラムに参加せず、休憩していても良いところが、デイケアセンターの良いところだと思った」
成田「なるほど。では次は行動の拡大についてです。去年の入院は任意入院から、保護入院に切り替わり、また任意入院に戻ったと思います。今回の入院は保護入院からのままでしたが、今日から任意入院に切り替えようと思います。これで出来る事はナースステーションに行き、ナースに一声掛ければ一人で病棟の外に出られて、病院内を好きに歩き周れます。晴れて保護入院から任意入院になり、おめでとうございます」
海里「広、誰かの付き添いがいらなくなったんだよ」
広「なるほど。そう言うことか」
成田「でもまた暴れたり死のうとしたら、保護入院に逆戻りだよ。そこは注意してね」
広「大丈夫」
成田「最後に退院日について決めようと思います。ご希望はありますか?」
広「早い方が良い」
海里「私事になるのですが、9月2日日曜から10日月曜まで仕事が入っていまして、広の面会と迎えに行く暇が出来ないので、11日火曜に退院と言うことにしてもらえませんか?」
成田「分かりました。11日ですね」
広「ちょっと長いよ~」
海里「しょうがないでしょ。そうしないと退院の日に迎えに来られない」
広「分かったよ。仕方ないなー」
成田「では退院日は9月11日火曜で良いですね?」
海里「よろしくお願いします」
成田「それでは今回は以上です。お疲れ様でした」
海里「ありがとうございました」
広「ありがとうございます」
病室に戻る広と海里。
海里「退院日決まって良かったね!」
広「うん」
海里「そう言えば、9月8日土曜と9日日曜に地元の神社の、おまつりがあるから波音と外出届けを出して行っておいで」
広「もう神社のおまつりの時期か。早いな…」
海里「ママはまだお昼ご飯食べてないから一階に行くね。お風呂の予約を取ったら連絡ちょうだい。そうしたらまた、一階で言うけど広の病院での一人生活が始まるから、洗濯洗剤とか買うよ」
広「分かった」
海里「じゃあ行って来るね」
一人になる広。日記を書き始める。
広日記『成田先生からデイケアセンターはどうだったかと質問され、私は通いたいと意思を伝えた。そして行動拡大で保護入院から任意入院となり、付き添いがなくても一人で病院の、他の階へ行けるようになった。しかしまた暴れたり死のうとしたら、保護入院に逆戻りだよと成田先生から忠告された。でも嬉しいことに、ついに退院の日が決まった。9月11日だ』
その後広は海里と通信機器のメッセージ機能で会話をした。
広「14時30分にお風呂の予約入れたから14時30分にお風呂入るね」
海里「ほい。じゃあ一階の通路脇のテーブルでお昼ご飯食べて待っているね」
広日記『14時40分入浴』
広日記『15時8分病室に戻る』
広は報告の為海里と通信機器のメッセージ機能で会話をした。
広「お風呂出たよ」
海里「一階まで降りて来てー。たいくつじゃ…。」
広日記『15時12分病院の一階へ行く。そして母と売店で、洗濯洗剤などを買って病棟の洗濯機を使える準備をした』
海里「これで一人の間も大丈夫だね。他に必要な物があれば連絡して。明日までなら持って来られるからね。ママが仕事に行っている間、屋上庭園に行ったりして、歩いて運動するんだよ。退院まで頑張ってね!」
広「任せて」
海里「じゃあこのまま帰るね。最後に見送って」
広「うん」
広日記『16時45分母帰宅。握手して軽くハグして手を振り見送り別れた。』
広日記『16時50分病棟に戻る。ナース三澤さんに洗濯機の使い方を教えてもらった』
広「あのーこれから退院まで一人で生活しなくちゃいけなくて、まだ病院の洗濯機の使い方分からないので教えて下さい。今から使いたい」
ナース三澤「良いよついて来て」
洗濯機と乾燥機のある場所に到着
ナース三澤「洗剤はある?」
広「ある」
ナース三澤「あと洗濯機も乾燥機も100円玉が必要なの。ある?」
広「少しだけある」
ナース三澤「洋服を洗濯機に入れて洗剤を入れる。そして100円玉を入れれば自動で洗濯が開始されるからね。乾燥機も同じ要領。分かった?」
広「分かった。ありがとう」
その後広は海里と通信機器のメッセージ機能で会話をした。
広「明日必ず持って来て欲しい物。選択時に使う100円玉と服を何着か」
海里「OK!」
広日記『21時10分消灯の為明かり消される』
広日記『平成最後の8月を病院で過ごした』
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