広の人生は獣道

8月5日日曜日・

広日記『11時およそ9時頃に眠ってしまった。そして夢を見た。設備が豪華な児童館で小さな私がいて、遊ぶという楽しげな夢だった。通信機器とSNSが使用可能になり、無意識下でも盛大に喜んでいるのだろうと思えた。』

広日記『16時55分母面会に来る』

海里「来たよ。今日は病棟の外に出た?」

広「出ていない」

海里「じゃあ早速出よう!歩くことは大事だよ」

広「分かった」

広日記『17時母と病棟の外へ。7階の屋上庭園に行く』

広「ナースさん、屋上庭園に行って来ます」

ナース「何時頃戻られますか?」

海里「薬の配られる18時頃には」

広「うん」

ナース「分かりました。では夕食は病室に届けておきますね」

海里「それじゃあお願いします」

広「行って来ます」

ナース「行ってらっしゃい」

7階の屋上庭園着

広「また夏を感じられたよ」

海里「良かったね。でもナースさんに昼間に病院内の、付き添いをしてもらえば良いのに」

広「でも去年長渕ナースさんとこの屋上庭園を歩いたんだ。今回の入院の屋上庭園の、散歩みたいに時計回りのコースで歩いたんだ。だけど今回は日記書くのでも、忙しくて出歩くとしたら、病棟内が限界かな」

海里「でもなるべく昼間に外に出て欲しい。暑さも体験出来るよ。あと考えたけど、ストレス発散方法としてゴミ箱とかに、愚痴を吐き捨てるのはどうかなって思った。」

広「考えておくよ」

海里「それとこれは思ったことなんだけどね。今まで広の人生の道のりは獣道で危ないことだらけだったけど、これからは少し道を踏み外さないように、補正された道を歩んで行こう。きっと広は無理していたところもあったんだよ。危ない道から今は、手を差し伸べられて、助けられているんだよ」

広「獣道ね。ハハッ。でもそうだったかも知れない」

海里「そろそろ時間になるよ。庭園の中それなりに歩いたし、日も浴びた。病棟に戻ろうか」

広「うん」

広日記『18時病棟に戻り隔離室に戻った。病棟に戻った際に、通信機器をナースステーションに預けた。そして隔離室に夕食は運び込まれていた。白米、鶏肉のみぞれ煮、さつまイモサラダ、煮浸し、みそ汁、お茶。』

広日記『18時10分夕食後の薬を配るアナウンス』

広日記『18時25分夕食完食』

広「夕食後の薬もらいに行って来るね」

海里「いってらっしゃい」

僅か数分後

広「薬を飲んで来たよ」

海里「おかえり。そう言えば知っているよ。広のSNSを確認しているから、誰もいない時でもSNSに投稿しているでしょ。でもあまり問題無さそうだけど、これからも確認作業は続けて行くからね。今日は昨日花火を見たって言っていた投稿をしていたね」

広「まあね」

その後2人は多目的室でしばらく過ごしたり、病棟内を歩き周ったり、隔離室でたわいもない話しをして時間が過ぎた。

海里「じゃあそろそろ帰るね。明日は休みますので面会には来ません。いいね?」

広「うん」

広日記『19時50分母帰宅。握手してハグして手を振り見送り別れた。』

広日記『19時55分面会終了まで5分前のアナウンス』

広日記『20時30分寝る前の薬を配るアナウンス』

広日記『21時20分消灯の為明かり消される』

8月6日月曜日・

広日記『5時10分、7時10分、9時40分、10時10分起床』

広日記『12時昼食が届いたアナウンス。チャーハン、おくら醤油和え、さつまイモ煮、お茶。』

広日記『12時7分入浴』

広日記『12時31分隔離室に戻る。そして昼食を食べるのを開始』

広日記『12時43分昼食後の薬を配るのと検温するアナウンス』

広日記『12時50分昼食完食。その後ナースステーションで検温をやりに行く』

広日記『13時ナースステーションに行き、ナースさんから通信機器を受け取る。』

広日記『17時36分夕食が届いたアナウンス。うなぎの蒲焼き丼、きゅうりとわかめの酢漬け、ぶどうとキウイ、すまし汁、お茶。』

広日記『18時5分夕食完食。食べている時にナースさんが来て通信機器を回収した。』

広日記『18時13分夕食後の薬を配るアナウンス』

広日記『19時55分面会終了まで5分前のアナウンス』

広日記『20時30分寝る前の薬を配るアナウンス』

広日記『21時8分消灯の為明かり消される』

広日記『今日は結果的に起きた時間が遅かったし、母も昨日面会に来ないと言っていて、本当に来なかった為、物静かな一日だった。日記を見返すと簡略的とも言える一日であった。しかし今日は病棟内を歩き周ったり、多目的室で過ごしたりしながら、時に通信機器でSNSをした。』

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