頑張らなくちゃいけない時に頑張って

7月29日日曜日・

広日記『18時42分母面会に来る。母の関西での美術館に行った時の話しを聞かされた。それと帰りの新幹線は台風で止まり、新幹線で一泊して今朝東京に帰って来たらしい。』

海里「じゃあ疲れもあるから帰るね」

広「うん。分かった。見送る」

広日記『19時53分母帰宅。握手して手を振り見送って別れた』

広日記『19時55分面会終了まで5分前のアナウンス』

7月30日月曜日・

広日記『18時25分母面会に来る』

海里「今日は多目的室で話そうか」

広「うん。いいよ」

2人は多目的室に移った。

海里「パパはさ、外科でこの烏山大学病院に入院した時に、入院するならココだって言ったんだよ。ナースさんは若いし、景色も良いからだって」

広「ふーん。確かに言われてみればそうかも知れない」

海里「と言うことで明日は、成田先生と朝早くから話すから、面会終了まで5分前のアナウンスを今日も、聞かずにそろそろ帰るね」

広「えー。もう帰るの」

海里は早く帰ろうとした。明日が成田先生と話す日で朝が早いからだ。しかし広は海里が帰るのを渋った。日増しに面会に来なくなり、面会する時間も短くなり寂しいからだ。

海里「入院中も患者さんと関わって欲しい。ここも小さな社会でコミュニティーなんだよ。じゃあフォロワー数は確認してあげるね」

広(SNSが全てではないと言いたいのだろう)

広日記『私のメインに使用していたメインアカウントは今日もフォロー解除され、また一つのアカウントから去られてしまっていた。確認出来る日に高確率でフォロワーが減って行くのはツラいし心から寂しく思う。心の安心材料の為の確認作業が、いつしか心を苦しめている。だから25日水曜日に暴れてしまったんだ。しかしやはり一ヶ月以上も発信が途絶えているアカウントは、みんな離れて行ってしまうものなのだろうな。全ては私が招いたことなんだ。受け入れるしかないが受け入れ難い。』

広日記『19時40分多目的室で日記を書き、隔離室に戻ったあとしばらく母と会話した。そして母と握手してハイタッチして手を振り見送り別れた。別れ際母は「広は頑張っている。でも頑張らなくても良い時があって、だから本当に頑張らなくちゃいけない時に、頑張って」と言われた。』

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