セミが鳴き出している

7月21日土曜日・

広日記『15時58分お風呂に呼ばれる』

広日記『16時5分入浴』

広日記『16時40分隔離室に戻る。母面会に来ていた』

海里「着替えとか整理していたよ。今日も暑いよー。あとね、セミが鳴き出しているよ。もし熱中症で倒れたらこの病院に入院させてもらう。そして波音に2人して面会に来てもらおうハハッ」

広「熱中症で入院したいのは、この前も聞いたよ。でもそうなんだね、セミが鳴いているんだ。それでね、今日も病棟内をたくさん歩いたよ」

海里「歩くことは大切だよ。それとそうだ。食堂で他の患者さんと食事しなよ」

広「うーんそれはなーなんだかなー」

広日記『17時30分夕食が届いたアナウンス』

広日記『17時42分夕食が運び込まれる。白米、さんまの塩焼き、かぼちゃ、ごま和え、お茶。完食』広が夕食食べ終わり時に

海里「今日も早めに帰らせてもらうね。そんなに話すことももう無いし、でも広は一所懸命に頑張っているよ。こんな所で。それでも広のしたことは運が悪ければ、本当に人殺しになっていて、一生刑務所の中だったかも知れない。まだ病院の中で良かったよ。じゃあ帰るね。いつものしよう」

広日記『19時11分母帰宅。ハイタッチしてハグして手を振り別れた。』

7月22日日曜日・

広日記『5時20分、7時40分起床。長い夢を見ていた。内容は覚えていない。しかし起きて隔離室の、なにもない牢屋みたいな空間を目にすると、どんな長い夢であれ現実に引き戻される。この感覚をあとどれだけ繰り返せばいいのだろう。とりあえず朝食が机に置かれているので食べよう。パン、スクランブルエッグ、バナナ、牛乳、お茶。』

広日記『7時50分朝食後の薬を配るアナウンス』

広日記『8時18分朝食完食』

広日記『11時58分昼食が届いたアナウンス。自ら昼食を隔離室に運ぶ。白米、タンドリーチキン、ブロッコリー炒め、鶏レバー焼き、お茶。母が私の拘束が外れてから言い出した、「他の患者と食事してみたら」と。私は迷う気持ちもありながらも食堂へ向かうことにした。』

広日記『12時27分昼食完食。私は食べながら思った。(テレビは食堂にあるものの、年寄り向けのテレビ番組しか、つけていないじゃないか。それに食堂にいる患者も中年や年寄りしかいない。気が合いそうにないし、これからはやはり、自分の病室で食事を取ろう)と。』

広日記『12時35分昼食後の薬を配るのと検温するアナウンス』

広日記『15時・それまで病棟内を歩き周ったが、今日は多目的室で休んでいた時間の方が長かった気もする。今日はそんな開放時間を過ごし方をした。それと私の履いているサンダルは靴ずれしやすいと、よく歩いている時にすれ違う患者から言われた。私の顔を覚えてくれたのだろうか。それにしても履いているサンダルは警察に連れてかれてから履いている物だ。仕方ないだろう。そうして私は隔離室に戻った。』

広日記『16時3分お風呂に呼ばれる』

広日記『16時7分入浴』

広日記『16時30分隔離室に戻る』

広日記『17時39分夕食が届いたアナウンス。』

広日記『波姉面会に来ると同時に夕食が運び込まれる。白米、肉じゃが、ナスの煮物、みそ汁、お茶』

広日記『18時3分夕食完食』

波音「今日はなにしていた?」

広「歩いていたよ。それと他の患者さんから、そのサンダルは靴ずれしやすいって言われた。でもこのサンダルは警察に連れてかれた時から履いているんだよね」

波音「じゃあ縁起が悪くて汚れているのも、同然だから汚サンダルだね。話しは変わるけど日記は毎日書き続けているの?」

広「うん。でも汚サンダルって言うのは、なんかビミョー」

波音「まあ良いじゃん。それに人はなにかを記録し続けるものなんだと思う」

広「ふむふむ」

波音「そうだ退院後の遊園地でどのアトラクション乗りたい?」

広「そうだなーてんかん発作を持っているから、絶叫系は乗れないから、ゆったりしたアトラクションが良いかな」

波音「分かった。広のペースに合わせるよ」

広「そうだ海里に火曜日の成田先生との面談時に保健師さんを呼んで欲しいって伝えて」

広日記『面会終了まで5分前のアナウンス』

波音「分かった。その保健師さんにも都合があると思うけど、海里に出来るだけそうやれるように伝えておくね。じゃあ帰るね」

広日記『波姉とハグして手を振り別れた。』

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