手の拘束は無くします
7月16日月曜日・
広日記『14時頃母面会に来る。それだが私は眠っていた。声を掛けられて、意識は覚めたものの、すぐにまた眠ってしまった。』
広日記『16時頃意識が覚めたので起きることにした。』
広「海里、今何時?」
海里「16時台」
広「さっき面会に来たよーって声を掛けたのは何時頃?」
海里「14時頃かな。少し約束していた時間より遅れちゃった」
広「今日は大丈夫だよ。眠って現実逃避していたから」
ナースが隔離室に入って来て
ナース「お風呂の時間です」
広日記『16時35分入浴』
広は脱衣所の時計を見て時間を確認した。
広日記『17時前隔離室に戻る。』
海里「今日も暑いよ。家の中でも熱中症になりそう」
広「家の中でも熱中症になるよ」
海里「本当外も中も暑いよ」
病棟に夕食が届いたアナウンスが流れる。
広「今何時何分?」
海里「17時35分」
広「正確な時間教えて」
海里「32分」
このようなやり取りが度々あったが、次第に海里も(正確な時間を教えた方が早いな)と思い、正確な時間を手持ちの通信機器の時計を見て、教えるようになった。
広日記『17時32分夕食が届いたアナウンス』
広日記『17時42分夕食が運び込まれる。白米、豚しゃぶ、野菜の煮浸し、大学イモ、お茶。』
広日記『18時15分白米だけ残した。』
広日記『18時20分夕食後の薬を配るアナウンス』
海里「今回の入院の仕方が良くないけど、それでも思うよ。広は頑張っているって。ある意味尊敬出来て応援出来る。今後退院したら家の外との繋がりのコミュニティーを作って社会貢献して行こうね」
広は(すでに創作団体に所属しているんだから、外とのコミュニティーはある)と思った。
海里「26、27、28、29、30、…21日か。入院して3週間」
広「3週間この部屋の中だよ」
海里「イヤだ耐えられない。でも入院した理由が今回は普通と違うからね。みんなの安心安全と言う太鼓判を押してもらって退院しないとね。それまではこの中だけど、ママもみんなも広の居場所探して退院までのステップ踏んで行こう。明日成田先生と話す時に退院日や一番近い目標を相談しよう。今は広はすごく耐えていると思う。だから退院までのゴールを目指して、そのあとの事ももちろん大事だからそれらを、明日成田先生と相談しよう。広も自ら首を絞めて死のうとしたり、この入院中の治療は治療になっていないとか、伝えたい事は伝えなね」
広は海里の話しを聞きながら日記に話しを書き記した。
広日記『面会終了まで5分前のアナウンス』
海里「明日先生との昼の面談来るからね」
広日記『ハグしてハイタッチして手を振り別れた。今日もここまでしか日記が書けない手の拘束があるから』
7月17日火曜日・
広日記『2時55分起床。その後呼び鈴を押し、ナースさんを呼んだ。トイレの為だ。そして今回のナースさんは、やさしい。手の拘束を外したあと、私がおかしを食べたいと言い胴体の拘束はそのままなので、一緒に時間を過ごし、たわいもない話しをしながら私はおかしを食べた。』
満足にお菓子を食べ終わった広は、また拘束され眠りについた。
広日記『7時朝食が届いたアナウンス』
広日記『朝食が運び込まれる。パン、ミネストローネ、バナナ、牛乳、お茶。7時35分完食。食べ終わりもしたし、眠ろうとしよう。起きていてもなにも出来ずに苦痛なだけだ。成田先生と話すまでは夢の中へ現実逃避。』
広日記『12時成田先生と母が隔離室に来る』
成田「やあ、こんにちは起きている?今日、今回はココでお母さんを交えて話し合うよ」
広日記『12時5分昼食が届いたアナウンス。私は成田先生から食べながらで良いとのことで、食べながら話すことに。』
しかし日記へのメモもあるので広は会話のメモを優先した。
成田「この4日間の行動の評価は落ち着いていて良いです。それなので手の拘束を無くします。って言ってももう無くしているけどね」
広「そう言えば無くなっている」
成田「今、気づいたのか。まぁ寝ていたから仕方ないか。それでまず手の拘束が外れたのが一つのステップ。また日にちの経過を見て胴体の拘束を取るか検討します。この前の13日の金曜日から薬を増やして体調はどう?日記の文字を見る限り問題無さそうだけど、手の震えとか無いかな?」
広「大丈夫」
成田「それなら良かった」
海里「拘束具が取れて退院までの目処ってやっぱり、まだつけづらいですか?本人も何も無いところに居て逆にストレスが溜まっているって連休中話し合って、退院させてもらえるか相談し合っていたんです」
成田「退院まではまだ早いですけど我々医師も落ち着いて過ごせているかとか行動を、見て制限や退院までを決めて動いています。ストレスを感じるのなら何か景色の写真とか壁に貼る?」
広「その写真貼るのとかは、海里からも15日の日曜日に実は、提案されて言われた」
成田「そうだったんだ。同じ提案出しちゃった。これはお母さんと全く打ち合わせとかしてないからね。とりあえず退院までは判断出来ないです。それと居場所にしようとしていたカウンセリング施設も、安西先生が運営していたので、安西先生との繋がりが無くなったのでね、退院させられなくなっちゃいましたよ」
広「だから退院までの日が延びたのか」
成田「そう。退院後の居場所が無くなってしまったから退院出来ずになった。だからこれからは一緒に探して行かないといけない。広さんが安心安全に、過ごせる社会の居場所を我々も一生懸命探して行きます」
海里「保健所の保健福祉師さんと一時退院で会わせたいのですが可能ですか?」
成田「その方に面会で来て頂いても構いませんよ」
海里「そうですか。それじゃあ保健師さんが可能な日にそうさせて頂きます」
成田「首を絞めて死のうとして拘束されたのは逆戻りになったけど、少しずつステップを踏んで退院を目指しましょう。拘束が取れるのが次のステップ。そしてこの隔離室から出て、大部屋に移って退院という少しずつのステップを頑張って踏んで行きましょう」
広「それも海里から似たようなこと昨日言われた」
成田「本当に打ち合わせとかしてないからね。そうだ。次のステップクリアまでの日数が分かるようにしてみようか。そうしたらこの中でも頑張れるはず」
海里「去年も確か似たようなことをした記憶があります」
成田「じゃあカレンダーみたいな物を作ろうか。それと退院したい気持ちは健全だよ。中には入院し続けたいって言う人もいるからね」
広「あっ、これSNSについてやっていて良かったこと、楽しかった思い出とやっていて悪かったこと、嫌だった思い出の宿題」広はSNSについての宿題のメモを成田先生に手渡した。成田「じゃああとで見ておくね。それと少しばかりナースから聞いたのですが退院させろと叫んでいたらしいですね。それでは他にあとはなにか最後頼みたい事はありますか?…沈黙になったので成田は「ではこれで」と言ってナースステーションに戻って行った。
広日記『12時50分白米だけ残した。なにもしないで一日三食は重い以外に理由がある。太りたくない。それで3人での会話は終わり。SNSについての宿題も提出。母は「面会時間外だから、平日の面会時間の15時まで病院内で時間潰しているね。またね」と言って一度隔離室から出て行った。しかし時計も返って来て手の拘束も無くなり、日記が前みたく自由に細かく書ける。』
広日記『14時30分さっきの会話で成田先生が最後に言っていた「あと最後頼みたいことなどあれば言って下さい」みたいな言葉に対してSNSやらせて欲しいと言っておけば良かったと思った。当然ダメ元でダメだと言われただろう。』
広日記『15時35分母再び面会に来る』
海里「商店街の方まで行っていたけど、昼間の外は暑い。溶けそう」
広「ふーん。それでさっき成田先生が他にありますかみたいなことで言いそびれたことがある。ダメ元だけど通信機器を使わせて欲しいって。それと昨日の夜は退院させろなんて言った記憶は無い。うなっていた記憶はあるけど叫んでた記憶は無いよ」
海里「うなっていた?」
広「うん」
海里「うなっていた事はまぁいいや。とりあえずそれらを成田先生に伝える為にナースさんを呼んだらどう?」広は呼び鈴をチーンと鳴らしてナースを呼び、叫んだ事は記憶に無い事とダメ元で通信機器を使えるようにして欲しいと言う事を成田先生に伝えて欲しいとナースに伝えた。ナースは「今会議中だから終わって見掛けたら伝えておくね」と言って隔離室をあとにした。
広日記『17時37分夕食が届いたアナウンス』
広日記『17時45分夕食が運び込まれる。白米、ひれカツ、春雨サラダ、みそ汁、お茶。』
海里「今日は早めに帰って良い?溜まっている家事が多くて、片付けないとだし今日は1日居たから疲れもある。最近眠れてもいないし、だから今日は早めに帰るね。明日は面会終了時間まで居るから
広「うん」」
広日記『18時10分母家事などの為帰宅。ハグして握手して手を振り別れた。今日は早めだったが、朝から居たのもあり休みたいとのこと。明日は遅くまで居てくれるそうだ。』
広日記『19時55分面会終了まで5分のアナウンス』
広日記『20時33分寝る前の薬を配るアナウンス』
広日記『20時43分寝る前の薬来る』
広日記『21時9分消灯の為明かり消される』
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