鎮魂の夢

7月15日日曜日・

広は起床時、見た夢が印象的で忘れる前にと思い、手元のナースを呼ぶ為の呼び鈴を鳴らした。そして5分だけというナースからの約束の元、広はナースに頼み手の拘束を外してもらい、日記を書かせてもらった。広日記『5時50分夢、バスに乗っていた。バスはバス停に止まった。私は降りた。アパート名前不明○○○荘ピアノの音聞こえて来る。音の元探す。他の住人とも会ったりすれちがったりした。音の元の白いワンピースの少女の彼女を見つける。私は少年の姿になっている。私は彼女に「なん人も殺そうとした。結局一人の心と自分の魂を殺してしまった」彼女「私も殺した自分を」彼女は泣いた。そして彼女「もう殺す必要はない」その言葉にいやされたのか』

ナース「もう5分過ぎていますよ。まだですか?」

広「まだ。まだ書いている。重要な夢なんだ。もう少し時間が欲しい」

ナース「分かりましたもう少しだけ待ちますね」

広日記『私と共に彼女はハグして涙流して2人で泣いた。泣き終わり私は「あなたの曲にいやされた。またあの曲を聞きたい。あなたの曲をまた聞かせて欲しい」ハグし合って私は彼女に思いを言いながらいると次第に距離が離れて行き手を伸ばし目が覚めた。そして彼女と夢の中から別れてしまった。ハグし合っている彼女から離れてしまうようでさみしかった。また夢で会えるかな』

広「書き終わった」

ナース「それでは拘束させてもらいますね」

広日記『いつものように7時頃朝食』

広日記『10時40分過ぎ朝食を片付けてもらう時にお風呂の予約をナースさんに取ってもらって入浴』

広日記『11時頃隔離室に戻る』

広日記『12時頃昼食。白米は残した。昼食までは眠ったり起きたりを繰り返した。ナースさんが食器を片付けに来るまでの、わずかな時間に夢の内容の訂正しておきたかった箇所と、昼食までの大まかな記録を日記に書いた。続きは面会時にしよう。とりあえずまた眠ろう。』

広日記『14時波姉面会に来る。波姉は私が質問したら答えた。私「退院について海里と昨日は話した?」波姉「火曜日に先生と話し合うって」やはり母も火曜日まで待つつもりか。波姉の話しによると、とうとう連日の暑さで熱中症で運ばれる人が、出ている報道がされているようだ。毎回面会に来てくれる母と波姉も「暑い」を繰り返しながら来るから心配だ。』

広日記『16時35分家族のいる内にしか、手の拘束は外れないが外れている内に出来るだけ日記を書く。今日の夢はナースさんに頼み書かせてもらった。キレイに訂正した箇所は朝食時や昼食時や面会時の拘束が外れた時に訂正したのだ。なぜかそれほど今日の夢が重要に感じた。』

広日記『16時40分波姉が「海里が今電車に乗ったって、メッセージで連絡来たよ」と言った。今日は本当に波姉のあとから来るようだ。海里もそろった時に改めて退院についての話しを切り出そう。それまでは波姉とたわいもない話しをしたり、日記書いて過ごすしかあるまい。』

広日記『17時8分母面会に来る』

波音は海里と入れ替わりのように帰ると海里が来る前に広に言っていた。しかし海里はそんなこと知ってか知らずか、たわいもない話しをし始めた。広はこの3人で話せる僅かな時間を無駄にしたくなくて、海里の無駄話しのオンパレードを停止させるように口を開いた。広「あのさ2人で話していたことを聞かせて欲しい。退院について、昨日2人が話したこと。私はもう退院したい。ここに居てももう治療になってない。逆効果だよ。この烏山大学病院に自殺まで追いやられた。だから早く退院したい。もう無理。ガマン出来ません」

海里「その退院したい気持ちは理解してあげたいけど、火曜日先生と話すまでは、今回の入院の仕方が仕方だから、すぐに退院はさせてあげるのは難しい。本来なら広の気持ちを汲んで退院させたい。とりあえず保健所の保健福祉師の人と面会させたいから、それに外出の許可も取りたいし、広が安全な人として周りの人に証明させたい。だから火曜日まで待って。広が心優しい人だって家族は分かっているから。あとは周りの人も安心させられるようになる為に頑張って。ママ達も先生も頑張っている。みんな戦っている。広だけじゃない」波音は「うーん」となにも言えないが言いたげそうな感じで2人の意見は分かりたいような、うなり声を小さく上げるだけだった。波音「じゃあ帰るね」

広「分かった。話しを聞いてくれてありがとう。またね」

広日記『17時20分波姉帰宅。ハグしてもらい手を振り別れた。その後母が残り、私は日記に会話を書いたりして過ごした。夕食は完食。母と波姉が居る間に退院の思いを伝えられた。』

広日記『20時母帰宅。ハグして握手して「またね」と言って別れた。面会終了まで5分前のアナウンスがあってからだ。海里「明日は出来たら13時に来るよ」私「明日眠っていたら起こして眠りという現実逃避をして目覚めた時に誰もいないよりマシ」海里「分かった」明日13時過ぎには母が面会に来る。』

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