もはやこれは治療の為の拘束になってない

7月14日土曜日・

広日記『9時頃ナースさん達の尿の排水が長時間されていないという会話で意識が覚め、お腹を押され尿瓶に尿を出させようとナースさん達がしていた。私が起きたから排水の為拘束が解かれた。』

広日記『9時21分病室には時計もなくなり時間が分からずにいたが、隔離室内にあるトイレの便座に座った時に、ナースさんに時間を聞いて時間が判明。その排水後、身体拘束をされた。』

広日記『12時いつものように病棟に昼食が届いたアナウンスが流れ、数分後に隔離室に昼食が運び込まれナースさんによって手の拘束が外され、昼食を食す。丸一日振りの食事だが、さほど空腹ではなかった。それでも完食して食器を、片付けてもらえるまでの間、手の自由を感じていた。ナースさんが来て手の拘束をして食器を片付ける。身動きの自由も無く、することもない。拘束されて苦痛を感じるならと思い、眠ることにした。昼食が来る前も、ひたすら眠り寝ている間、夢を見た。しかしナースさんの声などで、意識が覚めて、夢から拘束されているという現実に、引き戻される。もはや殺害予告の件について反省もしていると言うのに、いつまでも私を隔離室に閉じ込めている病院は、治療の域を超えている。これは単なる監禁だ。もう耐えられない。無理やりでも退院したい。延び続ける入院期間にイヤ気がさす。』

広日記『時間不明・私は眠りについて夢へ現実逃避をしていた。成田先生が来て私の様子を見に来た為、私はわずかに意識を覚まし、成田先生の言葉に耳をやって聞いた。成田先生「伝える事は二つ。火曜日まで用事があって来ません。それと寝る前の薬を増やしました。それじゃ」と言って伝えるだけのことを伝えて去って行った。私は眠くてもうろうとしていて、返す言葉も見つからず成田先生の言葉に、私は「はい」とだけ返して眠った。』

広日記『14時頃波姉が面会に来た。波姉「来たよ。面会時間の時だけ手の拘束が外れるみたいだよ」と話し掛けられるも私は、またすぐ眠ってしまった。』

広日記『15時頃夢から覚めてせっかく波姉が来て面会時は手の拘束がなくなるので、起きて会話でもしたいと思い、起きることにした。波姉「おっ起きた」私は成田先生が次の火曜日まで来ないことを伝え、当然のように私は胸に溜め込んでいた思いを言った。「退院させて欲しい。もはやこれは治療の為の拘束になってない」と言う風に話した。すると波姉も「逆効果だよね」と言いながら涙を流した。そして続けて「それでも週明けして火曜日を待とう」と言った。私は「もう待てない。今日にでも退院させて欲しい」と言ったが波姉は「親と先生が認めないと出来ない」と言った。私は「海里を呼んで欲しい」と言う。波姉からは後から海里も来ると聞いていたが、待ち切れなかった。だから連絡して、呼んでと言ったのだ。波姉は「海里は広が拘束されてショックで眠れてない。返信も来なくなったし寝てしまったのだろう」と海里を気づかっているように言った。しかし私にはそんな余裕は無い。』

広日記『17時から19時こうして波姉が面会に来て、手の拘束が外れている内に昨日から今日までのことを日記に書けた。しかし海里は来る気配は無い。今日は来ないのだろう。波姉とは17時過ぎても退院のことについて話し合った。波姉は「火曜日まで試されていると思ってしんぼうしよう」と言った。それとナースさんにも伝えた案で、拘束を少しでもゆるめて欲しいと。ナースさんは「考えておく」と言っただけでゆるめてはくれなかった。それと波姉は「自分の妹が拘束されていることは自分自身ツラいことだよ」と退院のことについて話し合っている時に言っていた。波姉は他にも「お姉ちゃんも海里も広と同じくツラい。今は一緒に戦っているよ」と言っていた。面会時間外に、なれば今日の分の日記は、これ以上書けなくなるだろう。だけれど波姉は面会終了まで居てくれるらしい。』

広日記『19時47分波姉から時間を教えてもらった。そして波姉は「イラついたりしたらナースさんを呼ぶんだよ。一人で暴れてワーとなっちゃうと退院までがさらに、あと延ばしになっちゃうよ」と言った。』

広日記『19時55分面会終了まで5分前のアナウンスが流れても波姉は居てくれた。私は「今日一日居てくれてありがとう」と伝えた。波姉は「全然大丈夫だよ。むしろ病院外に居ても心配だからさ。明日は海里も来ると思う。そしてお姉ちゃんも来ると思う」と言った。』

広日記『20時波姉と別れ際ハグして「またね」と言って別れた。』

そのあとナースさんが来て、手の拘束をしようとしたが、広は無理強いを言って最後まで日記を書かせてもらった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る