暴れていい事悪い事の宿題提出日

7月9日月曜日・

広日記『10時35分ナースさんが体調を聞きに来た。』

ナース「昨夜テンション高くなって暴れたみたいだね。なにかイライラしたの?」

広「ううん」

ナース「じゃあ楽しくなったんだ」

広「うん」

ナース「飛び跳ねたりするのは、良いけど壁叩いたりはダメだよ。今日もお風呂入る?午前中の今の時間なら入れちゃうよ」

広「今日は成田先生と話すから待っている。だから午後が良いかな」

ナース「分かった15時に予約入れておくね。それと今日は成田先生と何を話すの?」

広「この前宿題出されたからそれを見せながら話す」

ナース「宿題見て良い?」

広「いいよ」広は暴れていいこと・悪いことのメモをナースに見せた。

ナース「ふーんなるほどね。弱さを見られたく無いんだ。他に話したい事は?」

広「やっぱり退院を早めて欲しい。今回しでかした事もあるけど、やっぱりSNSという場に早く戻って繋がりのある人と連絡したい。SNS以上の関係の人とも連絡したいから通信機器も使えるようにする為、退院したい。自分と成田先生には年の差もあって、考え方にも差に違いがあると思う。でも今の時代SNSは連絡手段の一つだし、だから早く使いたい」

ナース「ふふっ、年の差ね。でもそうだね連絡手段だね。またなにかあったら、ナースコールを押してね」

広はこの会話を日記に書き記した。

広日記『15時お風呂に呼ばれる』

広日記『15時7分入浴』

広日記『15時35分隔離室に戻る』

広日記『15時55分成田先生が診察室に呼びに来る』

2人で診察室に向かう間に成田「そろそろ隔離に開放時間を作ろうかと…」

診察室で2人の会話が始まった。

成田「じゃあ早速だけど、この前出した『暴れていいこと・悪いこと』の宿題を見せて」

広は宿題のメモを成田先生に渡した。

成田「なるほど。思いを伝えられるって?」

広「感情表現」

成田「文章の方が伝わるんじゃない?激しくしたいの?」

広「それしかないから」

成田「自己表現ってこと?」

広「うん」

成田「人に触れると落ち着く?」

広「うん」

成田「温かい布とかじゃダメなの?」

広「人の温かさじゃなきゃダメ」

成田「だからハグなんだね。でもするなら家族とかなら分かるけど他人だとね……。それと暴れると弱さを見せている気がするから逆効果じゃない?」

広「自分を守る為」

成田「なるほどね。なにか境遇でもあるの?」

広「小学生の低学年の時に一つ上の学年からイジメられていた」

成田「相手に対抗する為なんだね」

広「父親も昔そう言っていた」

成田先生は一通り宿題のメモから質問したかった事を聞き終えた。

成田「話しは変わるけど隔離の開放時間が出来たら何がしたい?テレビを見たり、病棟内を自由に歩き周りたい?」

広「テレビはそんなに見ないし、隔離室はなにも無いからヒマだし、病棟出ても歩き周るだけしか出来ないから、連絡させて欲しい人に連絡させて欲しい。まだ出られないより通信機器を使えた方が良い」

成田「通信は最終段階なんだよな…。じゃあ他に開放時間を設ける以外に要望はある?」

広「特には…あっ、やっぱり通信させて欲しいぐらい」

成田「通信は最終段階。それで感じているんだけどさ、入院直後より穏やかになったよね。殺害予告と謝罪文を見る限り、切羽詰まっている様子が受け取れたけど、今は少し変わった」

広「そう?」

成田「まあね。それじゃあ診察おしまい。外に出よう」

診察室を出て多目的室の方へ向かった。

成田「多目的室には本があるから好きな物を取って行って良いよ」

広「この前の入院の時に持っていった。だけどそこまで好みの本は無かった」

成田は気を使ってなのか、あえて1212号室の隔離室への近道ではなく、遠回りにナースステーションを周って隔離室に戻った。そして重たい扉を閉める間際に成田「一応クッションみたいなのを持って来るね」

数分後マットレスを持って来て、成田「これなら叩いてもケガしないと思うから持って来たよ」

広は一連の成田先生との会話を日記に書き記した。

広日記『18時25分母面会に来る』

海里「暑い~!いつものね。まだ晩ご飯残っているじゃん」

広「まだ食べている。だけど今日は残すつもり」

海里「仕方ないなあー。てかマットレスが二枚に増えている!」

広「今日、成田先生と話してクッションの代わりになる物として持って来てくれたんだ」

海里「なるほどね。じゃあ後少し食べなさい。そうしたら歩こう。家族の事や家事をする中、暑い思いして広の着替えと飲み物を持って病院に来るのは大変。でも広の為なら頑張れるけど、いつもみたいに一旦休ませてからね。歩くのは体に良いんだから」

病棟内を2人で歩きながら。

海里「この前もチラッと話したけど九州の方の洪水が起きたでしょ?それがニュースを見ていて日増しに酷くなっているんだよ。」

広「ふーん」広は(被害が大きくなっているんだ)と思った。

海里「それで今日の話題はもう一つあって、ペットを飼ってみようと思うんだけど。例えば物静かなウサギとかどう?それで飼うのが難しそうなら、ボランティアでやっている施設とかで動物と触れ合ってみたら?人のように、ぬくもりを感じられると思うよ」

広「どうかなー。創作活動もあるし」実は広は(イラついた時に動物虐待しちゃいそうだな)と思った。

海里「きっと癒しになるよ」

広「うーん」

広日記『19時55分面会終了まで5分前のアナウンス』

広日記『20時5分母とハグして面会終了。少し面会終了時間が過ぎるまで今日は話して一緒居てくれた。』

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