僅かな隔離の開放時間
7月7日土曜日
広日記『2時20分・4時起床今日は七夕!願いよ叶え!空は曇天。今日中には天川見えるかな』
広日記『5時次第に空もぼんやり明るくなりナースコールを押して、私は「おはよう空は曇っているけど今日の内に晴れて天川見れて願い事叶うといいな」ナースさん「そうですね。まだ起きている時間じゃないので、ゆっくり休めそうですか?」私「もう起きちゃったから寝れないでも話ししてくれてありがとう」という会話をした。』
広日記『7時朝食が届いたアナウンス』
広日記『7時10分朝食が運び込まれる。パン、豆乳スープ、キウイ、牛乳、お茶。完食した。』
広日記『7時35分朝食後の薬を配るアナウンス。私は起きてから小型音楽再生機で好きなシンガーソングライターの歌を聴いていた。小型音楽再生機のバッテリーの持ちがとてつもなく悪いのでバッテリーの消耗に気を使いながらいつも聴いている。』
広日記『9時25分成田先生に診察室に呼ばれる』
成田「おっ今日は起きているじゃん。偉い。早速だけど診察室で話そうか」
病棟内の診察室に2人で向かい入った。
成田「ナースさんから聞いたよ。ハグで暴れないんじゃないかって?それは親しい家族とかなら分かるんだけどなー。ハグや暴れる以外に感情の発散させる手段は無いかな」
広「ハグ以外に無い」
成田「分かった。抱き枕とかどう?ハグの代わりになると思うよ」
広「学生時代に保健室の先生の提案で、一度あったけどダメだった」
成田「そっか抱き枕なら叩けるし良いと思ったんだけどなー。それで今日1日のみ隔離の開放時間を作ろうと思う。11時から13時まで。どう?2時間でお昼ご飯挟むけど、要らない?」
広「無いよりマシ」
成田「じゃあ今日1日のみ隔離の部分解除をするね。その開放時間の間での注意として暴れたり脱走したりしない?脱走したら、コチラも警察に通報せざる負えない」
広「大丈夫」
成田「本当に?本当に脱走とかされたら通報せざる負えないからね。それと宿題の暴れていいこと、悪いことに関しては3日にも言った通り、暴れて良い事が見つかれば暴れなくても良い事が見つかるはずだから」
広「昨日6日に母親と話して、暴れたい思いを抑えてルールを作る事で広が生きやすくなるって言われた。それと学生の頃に先生にも暴れる事で将来を懸念された事を思い出し、会話したんだ」
成田「なるほどね。じゃあとりあえずハグと似た効果のものを探そう。そして次の診察は月曜日ね。診察お疲れ様」
広「ありがとうございます」
広日記『9時53分診察が終わり、隔離室に戻る』
広日記『11時開放の時間だ。重たい扉が開かれた後すぐに、私は病棟内に出る。』
広日記『ナースさんに病棟内を歩く前に一応ということで、病棟内の多目的室などの各部屋の説明をされた。そのあとナースステーションを囲むように歩き周ったり、小型音楽再生機の充電を頼んだり、多目的室で、また願い事を書いた。なんせ今日は七夕だもの。願いは『SNSしたい。退院後SNSに居場所がありますように』と書いた。そしていつもは夕暮れの景色だけしか見て無かったけど、病棟内の大きな窓から昼の景色を見ることが出来て嬉しさを感じた。』
広日記『12時5分昼食が病棟に届いたアナウンス。私は病棟内に食事が届けられるのを見た。そして1212号室の隔離室に自分で運び込んだ。そうめん、ブロッコリーソテー、すいか、お茶。』
広日記『12時29分昼食完食。病棟内を歩き周れるのも、あと30分。食器を片付けに行こう』
広日記『12時35分昼食後の薬を配るのと検温するアナウンス』
広日記『13時私は隔離室に戻った。食後から私はめいっぱい思い残さないように歩いた。検温もナースステーションの前でして、手早く終えられる作業は手早くして、早く歩き周ることを優先した。去年の隔離から出られた時を虚しさもあったけどナースステーション前に患者が集まり、検温している姿を懐かしく思い、記憶の底から思い出していた。そしてまた今日隔離室から出られるようにお風呂の予約も開放時間外に取っておいた。平成最後の七夕を病院で過ごすとは思わなかったけど、こうして病棟内を歩き周れたのも、七夕の願いが少しだけ叶った気がした。気分が高揚しているせいなのか、今日七夕の土曜日にこうして病院で働いているナースさんや先生は立派だと思う。そして私を診てくれた元主治医安西先生も、今思えば立派な先生だった。私は本当に愚かなことをした。幸い未遂で終わったが、命と同じく大切なものを失ったに他ならない。私は結局罪人と違わない。私の罪は消えない。私はこの罪を償わなければならない。入浴まで時間があったから、隔離開放からそれまでを書くことが出来た。』
広日記『14時45分入浴』
広日記『15時20分隔離室に戻る。今日は入浴時間に余裕があったのでムダ毛処理する時間も出来た』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます