ここから出たい

7月2日月曜日・

広日記『6時8分起床』

広日記『6時30分なんとなくナースコール。今回は声を聞いて誰なのか分かった。信頼しているナースさんだ。』

ナース「おはよう、どうしたの?」

広はナースの問いに答えも話す事も無かった。とりあえず口から出た広の言葉は「出たい」だった。

ナースは「話し合って出られる回数だったり時間を増やそう。コッチでも話し合っているから」と言って会話は終わった。

広は日記にこの会話を書いた。広日記『ナースさん「おはよう、どうしたの?」私はナースさんの問いに答えも話すこともなかった。とりあえず口から出た言葉は「出たい」だった。…』

広日記『7時4分病棟に朝食が届いたアナウンス』

広日記『7時13分隔離室に朝食が運び込まれる。パン、ツナサラダ、ぶどう、牛乳、お茶。』

広日記『7時37分完食と共に、ちょうどナースさんが来て食器を片付けてくれた。』

広日記『7時44分朝食後の薬を配るアナウンス』

広日記『8時30分ナースコールでナースさんを呼んだ。呼んだ理由は心細く寂しかったからだ。』

広「ナースさーん来てー」

ナースコール越しナース「どうして?」

広「いいから来て」

ナースコール越しナース「分かった。少ししたら向かうから。待ってて」

広「分かった。待っている」

広日記『8時40分ナースさんが来てくれた』

ナース「どうしたの?」

広「寂しかった。それとこれから自分はどうなるのかって思った」

ナース「どうなるってどんな風に?」

広「安東先生とか病院の権限で、入院を長引かせようとしているんじゃないかと」

ナース「たぶん大丈夫だよ。誰もそんな事しないよ。去年も私が居た事覚えている?」

広「顔を見れば思い出すけどナースさん達の名前が分からない」

ナース「そうかじゃあ名前教えるね。三澤って言うの。覚えてくれた?」

広「うん。覚えた」

三澤「じゃあそろそろ他の患者さんの所に行くね。今、会議中で患者さんを診れるの私しかいないの。それと今日成田先生と話す日みたいだね」広日記『寂しいという気持ちとこれから私はどうなるのかっていう不安な気持ちをナースさんに伝えた。ナースさんは黙って耳を傾けてくれたし、優しく言葉を投げ掛けてくれた。それと途中から去年居たことを覚えているか聞いて来た。私は「顔を見れば思い出すけど名前が分からない」と言った。すると名前を教えてくれた。三澤と言うらしい。きっと覚えているかどうかの質問は、私の寂しさを紛らわす為に三澤さんが取った行動だろう。10分程度だったが誰かと話せて、寂しい気持ちが紛れた気がした。それと三澤さんが言っていたが今は会議中らしく患者に対応出来るのが三澤さんだけらしい。そして三澤さんも言っていたが今日は成田先生と話すらしい。やはり今後についてだろうか。入院が長引いたりしないだろうか。やっぱり不安で仕方がない。』

広日記『10時32分ナースさんが来て、お風呂入れるから入るかどうするか聞いて来た。私は「昨日入ってないから行く」と答えた。』

広日記『10時43分入浴。入浴後ナースさん「体型がスリムだね」とかなど言われ、ほめちぎられながら着替え中話題になった。隔離室に戻る際、いつも通りナースさんから「サッパリした?」と聞かれたので私は「うん」と答えた。』

広日記『11時30分入浴から隔離室に戻った時間を書き忘れたなと思いつつ、今日は半袖を着て久しぶりに私のリストカットの痕をじっくりと見たなと思った。』

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