謝罪文
6月27日水曜日
朝の時間をしばらく過ごしながら広は自分のしたことは警察も動かし私は愚かで大勢に影響を与え、私自身にも不利益になる程の影響を与え罪を犯したのだと改めて自責の念に苛まれた。1212号室の隔離室で一人そうしていると入院中の担当医、成田先生に精神科病棟内にある診察室に通された。そして2人の面談が始まった。
担当医の成田先生「退院日いつにしようか?いつがいい?」と質問して聞いて来た。
広は「なるべく1週間以内」と答えた。
成田「じゃあ7月3日ね。その日MIRの検査入れてたけど取り消すね」成田は続けて「そうだ隔離室に置ける物を決めよう。今はとりあえず全部不可なんだけど、昨日お母さんが持って来た物とかは許可にしよう。当然昨日も言ったけど通信機器はダメだよ」そうして筆記用具や紙や時計を1212号室の隔離室に置くことが可能になった。
そして成田は「退院したら何がしたい?」と広に聞く。
広は「SNSで謝罪してSNSを再開させたい」成田「昨日も言ったけど謝罪はやめた方がいい。それとSNSに依存している所あると思うよ」
広「さすがに依存まではしてない」
成田「そうだと思うんだけどなぁー」
そして面談が終わり2人で診察室を出て1212号室の隔離室に荷物を入れた。その後成田は隔離室から出た。
成田「ふう荷物はこれで全部だね。ナースステーションに戻るから用があったらナースコール押してね」
広「分かった」
広は隔離室の中で一人になって思った。謝罪文を書こうと。そして母に頼んで母の通信機器を使わせてもらってSNSに謝罪文を殺害予告の要領で投稿しよう。そうして広は午前中から黙々と謝罪文を反省の意思を込めて文章の内容をじっくり考えながら書き始めた。母、海里が17時30分頃面会に来た。その時まだ広は謝罪文を書いていた。昼食と夕食を口にせずに黙々と謝罪文を書いている事を母海里は知り、そんな広に驚いていた。広は母海里が来てもそっけなく会話に返事するだけで謝罪文を書くことに集中していた。
母海里は昼食も夕食も取らずいる広に「書き終わったら教えてね」と言い、広が謝罪文を書き終えるのを待つことにした。
その間母海里は広に話し掛けて過ごした。
「本当に今回広が捕まらずに良かった。そして犯罪者にならなくて良かった。ここでもう謝罪文を書いているということは反省していると思うけどちゃんと世間にも許してもらえるように頑張ってね。応援しているから。それと警察署で色々聞かれたよ。広の病歴について。あと病院は広が安心するだろうと思って最初警察は別の病院に入院させるつもりだったけどママが頼んでずっと小さい頃から利用している烏山大学病院にしてもらったんだ。今回入院は保護入院っていうの、だから広は保護されてるんだよ。それに警察今回の件からは引くみたい。でも監視はしばらく続けるって」
そして広はようやく謝罪文を書き終えた。
謝罪文はこういう内容だ『「2018年6月25日の謝罪」私は2018年6月25日月曜日23時頃にSNSのフォロワー様の連日急激な減少に悲しみや怒り等のやるせない気持ちが溢れ抑えられず、やせない気持ちを込めた後、過激な行動を行う予告の内容の文章を紙に書き、それを画像にしてフォロワー様が減少傾向であった私のSNSアカウントにて投稿しました。その投稿の文章の内容は具体的な内容だった為、投稿を見た人は驚き恐怖したことでしょう。その為6月26日火曜日11時頃SNSのフォロー内外からの警察の通報により自宅に警察が来ました。それにより予告は実行されずに済みましたが、フォロワー様への信頼を失い、投稿を見た人やその地元地域の人に多大な不安や恐怖感を与えましたことを深く心より反省しお詫び並びに謝罪申し上げます。この件のようなことは二度と致しません。この文章は6月27日水曜日に書き上げたものですが、これが画像にて投稿される日はいつ頃になるか分かりかねます。それに私の過激の内容を含む投稿がスクリーンショット等で拡散されている可能性も承知の上であります。しかし6月25日の文章にも書いた通り私は精神科とカウンセリングに通って社会に適応に向けて生活する身であります。その為に警察と私に関わりのある医療機関の判断により精神科に保護入院となりました。6月26日に母親も警察署に向かい、私は警察の方となぜか話すことはありませんでしたが、母親は私の病歴等について警察から問われたと私は母親から聞きました。そして署で母が精神科の病院は何度も入院歴があって一度精神科にも入院した経歴がある病院に入院させて欲しいと頼み込んだらしいです。あわよくば、さらに厳重な監視の元で隔離され入院させられていたでしょう。しかし繰り返し入院歴のある病院でも隔離室での入院生活が26日からなりましたが27日には母親が持ち込んだ荷物を隔離室に入れる許可を得てこの文章を書くに到るなど、他の精神科病院より遥かに良い環境だと思います。母親との面会も26と日27日と面会も出来ています。たかがフォロー数フォオロワー数で精神を追い詰められるとは思いもしませんでした。入院中は病院から通信機器の使用を禁止されています。なのでインターネット上での立場を私が把握する余裕はありません事を御理解下さい。母の発言で25日の投稿は26日の入院直前に、より多くの拡散を防ぐ為に削除しました。しかし十数時間あらゆる人の目に止まっていることでしょう。私のしようとしたことは未遂に終わりましたが私の投稿を見た方や予告を耳にした方や地元地域の方には不安や恐怖を与えました事を心より深く反省しお詫び並びに謝罪を申し上げ致します。二度と今回の件のようなことは一切致しません。入院中の通信機器の使用禁止の理由につきまして、問題をSNSで起こしてしまったことと外部からの刺激を断ち切り冷静さを取り戻す意図があると医師から聞きました。その為対応が遅れましたことをお詫び申し上げます』広は母海里に謝罪文を読ませてSNSに投稿をさせてもらうように促し頼んだ「この謝罪文を海里の通信機器を使って投稿したい」謝罪したい焦燥感に駆られ食事もせず母が来ても書き続けた謝罪文。どうにか世に届けたい。しかしそれを「謝りたい気持ちは分かった。分かるけどやめた方がいい」と投稿することを母海里に反対されてしまった。広はここまでやったのにと唖然としてしまった。
母海里に気持ちが伝わったのか察しられたのか、母海里は「今日はなにも食べてないんだから病院の売店に行って食べ物買って来るよ」と言った。
広は出来た謝罪文を早く公に公開したいと思っていて、それが出来ずにもどかしく気が収まらず謝罪したい気持ちがいっぱいで「いらない」と返答。だが母海里は買いに行き吸引式ゼリーを広に渡した。広は渋々ゼリーを口にした。服装は25日入浴して着替えた時のまま警察に連れたままだった。
母海里は面会終了間際「明日は身綺麗にするんだよ」と言って握手して帰って行った。そうして1日が終わった。
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