赤宮の逃走経路

第13話 逃げ道

 15時


 今日殺しに使ったナイフを整備しながらテレビを見ているとテレビに私が現在身を隠している付近を警察が警戒している事がわかる。


「おーおー、随分と動員してきたなぁ。どうするよ?日本の警察が本気出しゃこんなところすぐ見つかるぜぇ?」


「ええ、舐めてかかると足元を掬われますからね。さて、どうやって逃げましょうか」


 私は手入れを終えたナイフと投げナイフをケースにしまうと鞄に入れると私はスマホを取り出した。


「どうやって?この場所なら一つだけだろう」


「ふふふ、そうですね」


 ジョンソン山中の語るあの場所と言うのは車用エレベーターの中の事だ。


 あのエレベーターはある特殊な機構が施されている。

 その機構を使うにはパスワードを私のスマホから入力する必要がある。

 私はスマホを操作して自作のアプリを起動してパスワード1208を打ち込む。

 このパスワードは私にとっては大切な数字で忘れる心配がない。忘れないというのが大切なのだ。


「さて、さっさと逃げましょうか。ジョンソン山中、君が先に行きますか?」


「ああ、そうさせてもらう……。うん?」


 ジョンソン山中が不意に見たテレビを凝視して固まった。


「どうやらあの密売人捕まったらしいな」


 密売人とは私たちに麻酔などの薬を売ってくれていたのだが、捕まったのか。


「想定外だな」


「ええ、彼はこの場所に何度も出入りしていますからこの場所を吐く可能性が高いですね。早く逃げた方が良いでしょう。急ぎましょうか」


 先にジョンソン山中を逃し、逃走先の安全確認をしてもらうこととしよう。


「んじゃ先に行くぞ?」


「ええ、お願いしますよ」


 ジョンソン山中は自身の車に乗り込むとエレベーター入るとある場所へと向かった。




 7分後エレベーターが戻ってきたのを確認すると私もエレベーターである場所へ向かった。


 エレベーターはパスワードを入力しているため上ではなく下に降りて行く。

 2階分下に降りると今度は水平に進んでいく。

 いわゆる地下トンネルのような場所を走っていく。

 エレベーターは地下の公共交通機関などの隙間を縫うように走っており、ある場所まで続いている。



 しばらく経つと、先程いた場所に似たところに着く。


「よう、ご到着か」


「どうやらここは問題ないようですね」


「ああ。東京23区内からは脱した訳だからな。奴らの裏をかけただろうな」


「さて、再度パスワードを入力してエレベーターを通常稼働させておきましょう。……さて、彼らはどうでますかね?」


 私を捕まえる事はそう簡単ではない。

 何故ならこのような基地が支援者の数だけあると言ってもいい。


「さて、ではここで新たな作品の構想を練るとしましょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る