第21話 俺の力は魔法力?
クラリスの魔物との戦いを上空で待機していたブルードラゴンの機内から見ていたギルシェ達は
「あれぐらいの魔物でも、いとも簡単に落としたか。クラリスも成長したな」
ギルシェはキャプテンシートに座りながら腕を組んで頷く。横にいる女神候補生のミンバは
「クラリスは、魔物との戦いを想定した訓練をかなりしていたからね」
クラリスに対して、魔物を簡単に落としたことへの嫉妬?みたいな感じで、ミンバは言った。
「けど、私達ならもっと早く落とすことができたかもね。ね、ウインク」
女神候補生は嫉妬し易いのが多いのか?ウインクのパートナーのムルも嫉妬みたいな感じで言った。ウインクは「そんな事ないわ」と手を横に振る。
『しかし、今の戦いとバックゲートでブレスレット内の魔法力の三分の二は消費したのでは‥‥』
心配そうに言うブルードラゴンのブルーは、半球状の玉の3D映像の自分をギルシェに向けた。
「まあ、後は大丈夫だろうって。しばらくしたらオートパイロットで飛んでいる、ホワイトスワローをあいつらの元へ」
「了解」
ウインクが返事をすると、ギルシェは少し落ち着いたのかシートに座りなおした。するとその時ブルーが
『‥‥‥ギルシェ!何か‥‥来る!』
「何!?」
何かが来るのを感じ取ったブルードラゴンのブルー。しかし地上でも神が、何かを感じ取っていた。
◇◇◇◇
「しかし‥‥あの人は凄いな。あんな化け物みたいな魔物をいとも簡単に」
「えへへ。凄いでしょ!あの人は私の先輩なんですよ」
神がクラリスの事を褒めているのに、メイリはまるで自分が褒めてもらえているかの様に嬉しそうに答える。
「それにしても‥‥消えるのにあんなにゆっくりなのか?」
神がまだ半分程残して、ゆっくりとバックゲートに沈んで行く魔物を見て言うと、メイリは
「いえ、いつもは一瞬ですよ。ただですねー、この世界は魔法力がほとんど無いので、あー言う風になってしまうんです」
指を差して説明するメイリに神は、一つの言葉に疑問した。
「魔法力?」
「ええ、魔法力です。貴方の先程使った力も魔法力による物なんですよ」
「えっ?本当かよそれ!」
「ええ、上空で見てた時に貴方が力を使った時、魔法陣が手から出てましたから」
神は驚く。まさか今まで超能力だと思っていた力が魔法力によるものだったとは‥と。
「じゃあ‥‥今迄使っていた俺の力は魔法だと‥‥」
「全ての力を見たわけではないので何とも言えませんが、先程のは確かに魔法ですね」
魔法‥‥じゃあ今迄の全ての力は魔法によるものなのか?‥確かに力を使う時手から魔法陣の様なものが‥じゃあ舞も‥‥
神はケルベロスに手をついて何かをしている舞を見た。舞も神と同じく、力を持つ。しかし、神程力は強くない。舞が得意とするのは治癒だ。人の怪我を直ぐに治す力を持つ。
確かに舞も力を使う時は手から魔法陣の様な物を出していた‥‥‥
『小娘、わたしに何をするか?』
「えっ?あっ‥‥助けてくれたお礼。ケルベロス‥さん怪我をしてるでしょ。だから私の力で治してあげるの」
『怪我を治す?』
「うん。待ってて」
舞がケルベロスに触れた手に力を入れると、神と同じ魔法陣が現れた。そして、ケルベロスの傷はみるみるなくなる。その光景を見たケルベロスは驚く。
『お前は!‥‥やはりあの感覚は』
「えっ?どうしたの?他にも痛むの?」
『うっ‥‥いや‥‥別に』
ケルベロスは舞を見て思っていた。この女はかなりの治癒力を持った者だと。その証拠に、この世界に来る前以上に体の中の魔法力がみなぎってきたからだ。
そんな光景を見ていた神は
「やはり舞も‥‥‥うん?なんだ?‥‥何か来る!」
神が感じ、そして見た方には、今にもバックゲートに姿が消えかかりそうな魔物の上。その上から黒い小さな魔法陣が現れると、魔物の一部に何かが刺さる。
「なんだあれは!」
「どうしたんですか?」
「いや!魔物の上から‥」
メイリも魔物の上を見ると驚き叫ぶ
「な、何で、黒い魔法陣が!‥‥先輩!いえ、ミミ!」
まだバックゲートの前にいるクラリスはメイリの方を振り向いた時、それは起きた‥‥
最悪の事態が!
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