第16話 蘇生魔法(レデバル)
ミュウと契約を交わした
「か、体が熱い!‥‥‥まるで燃えているようだ!‥‥‥クゥッ!‥‥手の平が‥‥なんでこんなに熱いんだ‥‥‥」
神の体の全てが、燃え上がっているように熱くなっていた。そして、両手の手の平が一番熱くなっていた。その熱さは腕の血管が浮き出て腕の
「クゥッ!‥‥なんで手の平が‥‥こ、これはなんだよ」
神は痙攣した腕を何とか自分の顔の近くまで上げると、ゆっくりと手の平を見た。その両手の手の平には光り輝く‥‥十字架の模様が手の平の中心に輝いていた。
「な、なんだよ。こ、この十字架は!クゥッ‥‥‥クゥッ!これがミュウ‥‥お前との契約なのかよ!」
自分の両手の平に十字架の模様が刻まれた事に驚く神。だが、ミュウはそれ以上に目を見開いて驚いていた。
『な、なんなのこいつの魔法力は!ありえなあえわ!ありえないわよ!』
ミュウが、神から初めて感じ取っていた魔法力よりも契約後の魔法力はミュウの想像を遥かに超えていた。そして神の体の異変が落ち着いてくるとミュウは、
「あなたの魔法力を少し借りるわよ!」
「魔法力?‥‥借りる?‥えっ?」
神の右手を握り目を閉じ、神の魔法力を感じ取った。
『やはりコイツの魔法力は半端ないわ!けどこれなら‥‥‥』
「我が女神の主のアースよ!我に蘇生の儀を使用することを許したまえ!‥‥レデバル!」
レデバルとは蘇生魔法の一つ。大多数を一度に蘇生する魔法。だがこの魔法を使うにはかなりの魔法力が必要。普通の蘇生魔法が1に対してレデバルは100を使うぐらいだ!しかしミュウは神を通しての魔法力で難なく、レデバルを使えれた。
『レデバルがこの魔法力が殆どない世界で使用できるなんて‥‥‥やはりこいつは‥』
レデバルでケルベロスに踏み殺された人々が次々と蘇生する。
「あれ?俺は確か‥‥」
「バケモノの様な物に押し潰されたはず」
「私も確かに‥‥て!何あれは!」
「キャアアアア!バ、バケモノ!!」
蘇生された人々はいったい何が起きたかわからない状態で目覚めたが、ケルベロスやキマエラを見ると慌てだし皆、丘の上の方えと逃げていった。そんな様子を見ていたミュウは安堵のため息をするとケルベロスに、
「ケルベロス!貴方の言った通りに死んだ人に蘇生魔法を掛けて逃したわよ!」
『そうか‥‥すまぬ‥‥』
が、ケルベロスの様子がおかしいのに気づくミュウ。そのケルベロスはキマエラの体当たりをいまだに凌いでいた。だが‥‥ケルベロスはキマエラが体当たりをする度に一歩づつ後退しはじめた。神も漸く体が動ける程契約時による体の異変が落ち着き周りを見る余裕が出来た。そしてケルベロスを見た。
「おい!ミュウ、あいつ大丈夫なのか!」
神の言葉にミュウは心配そうな顔をする。
『ケルベロスならあのぐらいのキマエラは倒すのに造作もない事!けど‥‥この世界には魔法力がほぼ無い‥‥今のケルベロスでは‥‥私に攻撃魔法が使えれば‥‥なんで攻撃魔法の授業を真剣に受けなかったのか!‥私のバカ!』
後悔後に立たずのミュウは自分の頭をポカポカと叩いた。
「なに自分の頭を叩いてるんだ!あいつを助けないと舞までキマエラの巻き添えだ!なんとかならないのかよ!」
「ごめんなさい‥‥私は攻撃魔法が使えないのよ‥‥」
「な、なんだって!じゃあ、どうすればいいんだよ!」
ミュウは自分の不甲斐なさに気落ちしてしまい、神はそんなミュウを責める事は出来なかった。そんな時空にまた魔法陣が現れた。
「なあ、なんだよ!あれは!また化け物が出てくるのかよ!」
神は空を見ながら険しい顔をする。だがミュウは
「‥‥‥あの魔法陣は‥‥白い魔法陣‥まさか!来てくれたの!」
「来てくれた?ミュウ、何が来たんだよ!」
ミュウは空の白い魔法陣を見ると安心したような表情をすると、神はそんなミュウの言葉の意味がわからなく、
「いったいなんだよ!」
「来てくれたのよ!‥‥救助隊が!」
「はあ?救助隊?なんだよそれは!」
「言葉どおりよ!」
そう言っている時、白い魔法陣から青白い光の矢の様な物が出て来た。そしてそれが徐々に姿を表すと神はそれを見て
「龍‥‥‥鉄の鎧をまとった青い龍だ!」
「龍じゃないわよ!‥‥あれは‥‥ブルードラゴン!異世界救助隊のブルードラゴンよ!」
ミュウは安心したのか満面な笑みを浮かべ叫んだ。
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