第2話 魔法力がない異世界!

転移魔法で作戦室に転移したブルードラゴンチームの面々。

作戦室は先程いた待機室とほぼ同じぐらいの広さ。が、窓がない、出入りする扉がない。

情報が外に漏れないためなのか?

白い部屋に大きなテーブルがあり椅子も20席ぐらいある。テーブルの先にはやはり100インチ程のモニターが壁に埋まっている。

部屋のレイアウトは、待機室と同じか。いや、テーブルの中央に二メートル程の透明な半球体が鎮座ちんざされていた。


「ギルシェチーフ、何故作戦室なんかに転移を?あの場所から直接ブルードラゴンのコクピットに転移したほうが?」


そう言ったのは、メイリ=バアウア。

ボブショートの赤髪が特徴なエルフ族の美少女だ。メイリは不思議がりクラリスの方を向くと、クラリス=クラウドは言う。


「今回の行く異世界は魔法力がない世界なのよ」


「えっ! 魔法力がないんですか⁈」


「そう!だからここ作戦室で、準備をしてから出動するのよ。それとメイリ、貴女にはまだパートナーがいないでしょう」


水色の長い髪をポニーテールにしている、スポーツが得意そうなメイリと同じエルフ族のしかも美人なクラリスが言う。


「えっ?、あっ!、そうだ!、私まだパートナーを紹介されてない!」


そう、異世界救助隊の隊員はパートナーとなる、この異世界【アンダーワールド】に日々、女神になる為に修行する【女神候補生】とパートナーとなって活動する。

それは隊員自身が持つ魔法をパートナーとなる事で最大限に、そして時としてそれ以上の力を出す事が出来るのである。


「メイリ!済まないがお前のパートナーは、コクピットに搭乗した時に紹介する‥‥それよりも‥‥」


ギルシェチーフの鍛い上げられた肉体が、ギュッと引き締まると同時に優しい顔が一変、真剣な顔に変わった。

そしてテーブルの透明な半球体に、天体の様な映像が映し出された。


「この点滅しているところが私達がいる世界【アンダーワールド】だ。そしてこの赤く光る所が今回の行く場所、【人間界】と言う異世界だ」


天体の映像に指を指して説明するギルシェ。


「人間界?」授業では習ってわかってわいたが、いざその場に行くとなると、首を傾げるメイリ。


「そうだ!そしてそこに住む人々は魔法が使えない。その異世界では魔法力が存在しないからな」


ギルシェは半球体に映し出された赤い光の点滅を見ながら言った。

メイリは魔法が使えない世界が存在するとは思ってなく、クラリスに、


「先輩!魔法が使えない世界てあるんですか?」


クラリスは真剣な顔でメイリに、


「ええ、あるわ!私も一度だけ魔法力がない異世界に言った事があるの」


「じゃあ?」


「ええ、魔法は使えなかった‥‥‥」


メイリはクラリスの顔を見た。その顔は何かあったらしい顔つきになっていた。そのクラリスの顔つき雰囲気からは多分何があったか聞いても答えてくれないと、メイリは思った。


「そこでだ!今回は新たな魔法ブレスレットを渡す!」


ギルシェが言うと、ギルシェの隣に誰かが転移魔法で転移して来た。その姿は‥‥‥


"白衣を着た少女” そして、


「私から説明しよう」


と言った。

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