集合と情報収集開始
俺はリヴァイアスの中で一番広く待ち合わせ場所として良く使われている噴水広場に来ている。
ガルドから指定されたのがここだったんだが、イベント攻略でパーティーの待ち合わせをしている人が多いせいで探すのも一苦労だ。そもそも俺が最初についていたら探しても意味がない。
「ただ、どうせ集まるっていうのにこの場で連絡してもな。ボイチャでもかけるか?」
俺はブツブツとつぶやきながら噴水広場内をうろうろしてみる。
5分ほどうろついて見つからず、噴水の縁に座ろうとした時、ボイスチャットの通知がなった。俺はすぐにそのボイスチャットをつなぐ。
『うわっ、早いね』
「ヒカリさんか?」
『そうそう! 今どこにいるのー?』
「一番でかい噴水広場の噴水のふち。えっと、大通りが見える方」
『りょうかーい! って見えた気がするけど。今日って大きいソード腰につけてる?』
「そうだな。今日は剣士でに腰のさすタイプだけどでかめの片手でも持てるやつだな」
ゲームだからこそ抜き放ちが楽だけど、絶対に現実だったら背負ったりしたほうが良さげなタイプだ。でもなぜか通常で装備すると腰にさす形になる。
『あ、じゃあ見えた! そっち今からいく!』
「わかっ……切れた」
俺が返事し切る前にプッツリだ。俺の方からはどこにいるかわかってないんだけど大丈夫か。俺ってさほど特徴的なアバターでもないから武器がかぶることも多い。
「やっほー!」
「うおっ!?」
ボイチャがきれてメニューを閉じてた時に後ろから背中を叩かれて思わず変な声を上げてしまった。振り向くと当たり前だがヒカリさんとアオがいる。
ただ、アオはいつのまにやら装備を新調していたらしい。
全体的に赤と黒で揃えられたパンツスタイルとでも言うべきな服装の上からマントを羽織っている。ただ、マントがデカかったり形もあって前が全開のローブといっても過言ではない気がする。
さらに赤と黒だから銀髪とのギャップがすごいけど、良い意味でのギャップになってるな。
「アオはなんというか結構揃えてるんだな」
「うん。性能も悪くないから」
ヒカリさんはガルドとアオがいるってこともあって拳闘士の格闘家スタイルだ。
「私も新しい防具作ろうかなー?」
「それならあたしで手伝えるなら手伝うけど」
「ほんと? じゃあちょっと後で考えてみるね! それでガルドくんは?」
「そうなんだよな。あいつどこにいんだ」
俺たちがそう話していると、こっちに手を振りながら走ってくるデカイバックを背負った男が見えた。
まあガルド以外の何者でもなかった。
「すまん。遅れた」
「どこにいたんだ?」
「別の町にいたんだけど、ほら。荷車引かせてるモンスターいると転移させられないから。荷物整理とかしてから転移してきて」
「そういうことか。なら大丈夫か?」
「おう。大丈夫だ。そんじゃこれから何やるか決めようぜ!」
俺たちは一度広場から離れてまだ人の少ない場所に移動した。
単純に人が多いところは賑わっていて声が聞こえにくいこともあるからだ。
「素材集めってことはわかってんだけど他にわかってることある人いるか?」
ガルドがそう聞くとヒカリさんとアオは微妙な反応だ。
「一応少し早くついて、少しだけ狩ってきたんだけど。アバターか防具とかの見た目装備生産は確定っぽいな」
俺は手に入れた染料を見せてそういう。
「こういう系か。商売に使えそうだしふつうに集めたいな。ちなみに特別マップは?」
「よくわからんけど難易度はそこそこっぽい印象だな。結構帰ってきてるパーティーがいた」
「ほう……となるとそうだな」
ガルドは顎に手を当てて少し考える。そして思考がまとまったような仕草をすると俺を指さしてきた。
「とりあえずナツとアオで特別マップに偵察に行ってみてくれないか? 前衛と後衛でちょうどいいだろ。その間に俺とヒカリでイベントの情報集めをリヴァイアスとその周りでする感じで」
「俺は別にいいけど2人はどうだ?」
俺はガルドの手をはたきのけつつそういう。
「まああたしは初イベントだし慣れてる2人に従うよ」
「私も大丈夫だよ!」
「決定だな。そんじゃ、そうだな……1時間後ぐらいに俺のマイルームにきてくれ。開けておくから」
「あいよ」
「了解」
「わかったよ!」
俺たちはそれぞれの目的地に向けて別れた。
「そんじゃ、ひとまずがんばりるか」
「うん。そういえば、ゲームだとナツと2人で動くのは初めてかも?」
「……そういえばそうだな」
よく考えるとヒカリさんも一緒にいた。
「まあ、あたしはまだ慣れてないからよろしく」
「任せろ。いつも朝に話聞いてもらってるし、ここで足手まといになるのもなんかかっこ悪いしな」
俺たちはイベント用の転移場所にたどり着くと特殊マップに移動した。
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