第14話 ドタバタバタ、スカッとミス、バタンと1ポイントのダメージ

 「うちの娘は連れてこなくて良かったのか?」

 「はい。さっき、お乳をあげたばかりなので、休ませてあげたくて。」

 「そうか。初産で二人の赤ん坊に乳あげてんだもんな。でも、うちのかかぁの時はピンピンしてたけどな?」

 「ハハハ。じーじさんと同じで冒険者さんですもんね。」

 「おっと、少し向こうにビッグボアがいるな。狩れるか?」

 じーじがキラリとキングに視線を送る。

 「ふふん。ワレは森のキングと呼ばれておったのだぞ!見ているのだぞ!」


 シュパッとビッグボアに飛び出していく。だが、どうも足の回転が?


 ドタバタバタ!ドタバタバタ!スカッ!ドタバタバタ!ドタバタバタ!バタン!

 ドタバタバタ!ドタバタバタ!スカッ!ドタバタバタ!ドタバタバタ!バタン!

 ドタバタバタ!ドタバタバタ!パクリ!

 「どうじゃ!モグモグ。ワレの凄さをみたか!モグモグ。」


 なんでドヤ顔?!めちゃめちゃ苦労してたよね?!


 「確かに、ビッグボアを一口とはスゲーな。娘がみたら絶対に追い出すな。」

 「はい。同感です。エサ代が途方もないです…。」

 「まぁ、自分で狩れるみたいだし、害にならないなら、こっちで面倒みるぜ?」

 「じーじさん!ありがとうございます!」


 「う。(向こうに何か・・あります。)」

 「じーじさん。向こうに何かあるんですか?」

 「ん?感がいいな。向こうに森が荒れた原因があるんだ。まぁ。見た方が早い。」


 少し歩くとそこには、いびつな大岩がありダンジョンゲートが開いていた。


 「ダンジョンが発生したんですか?!」

 「ついてこい。」


 じーじに連れられて入ったダンジョンは村の倉庫程度の空間しかなかった。


 「ちょっと温かい部屋があるだけですか?」

 「ああ。だから心配はないんだ。」


 「う。(変わった空間です。)」

 「ばぶ。(向こうじゃな。)」

 「う。(確認。)」


 子供たちの会話に、短いながらもパパの勘が警鐘を鳴らす。


 「ばぶ!(龍魔装ドラゴン・プロテクト!)」

 「う!(思念装サイコ・アーマー!)」


 ネラが赤と黒柄のドラゴン風のポンチョをまとう。

 アイが白と黄色柄のゴーレム風のポンチョをまとう。


 「おお?こいつは可愛いな!」


 「う!(外部ユニット。転送!パワードアーム装着!!!)」

 「それ!何?!」

 「う。(基地で作りました。)」


 「ばぶ!(射出!!!)」

 「う!(テイクオフ!!!)」


 と話すのも束の間、ネラがアイを右側の壁に凄い勢いでぶん投げた。


 ドカーン!!!

 「ア?!ァーーーーーイィーーーーーーー!!!!!!」


 激突したパワードアームを装着したアイによって右側の壁がバラバラと壁の奥に崩れていき、熱気をまとった真っ赤な赤い光が壁の向こうから吹きだしてくる。


 「こいつぁ…。」


 じーじが絶句する。俺はいといろ心がまとまらずに声もでない。壁の向こうは100メートルくらいの崖になり溶岩が満たされた上に先が見えないほどの巨大な迷宮が鎮座していた。

 「これってアレですよね。」

 「ああ。こいつは彷徨い迷宮のダンジョン。3年殺しだ。」


 「ばぶ!(おしっこ!)」

 「う!(おしっこ!)」

 「え?!今ですか?!オムツしてますし、そのまま。いや、それより怪我は?!」

 「ばぶ!(いやじゃ!ムレムレするのじゃ!)」

 「う!(水分は故障の原因になります!)」

 「わかった、わかった。まぁ怪我もないようだし…。」


 ネラとアイのベビー服をたくし上げて、崖下にシーシーさせるのであった。

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