第7話 誕生10日祭

 「「「10日歳じゅうじつさいおめでとー!!」」」

 「これで、晴れて村人の仲間だよ。」


 「ばぶ?(10日祭?)」

 「10日たつまでは魔素に馴染めず、精霊の世界に旅立つ子もいてね。ネラとアイが無事に、魔素になじんで魔力を持ったお祝いの祭だよ。」


 「う?(祭?過剰エネルギーの放出?)」

 「過剰じゃないよ。自分の子を祝うんだから、当たり前だよ!」


 「パパ。せっかくの祭なのに、主役を独り占めしちゃダメだよ。じーじとママのママとそのまたママを連れて来たよー。」

 「初めまして。私がママのママよー。可愛いでちゅねー。」

 「俺はジージだ。よろしくなー。」

 「フフフ。静かな子たちね。私がママのママのママよー。」


 おばさんと言われるのが、そんなに嫌?マの数がおかしいことになってるよ。


 「ばぶ。(了解じゃ。ママママにジージにママママママじゃな。)」

 「う。(個体登録完了。M4ママママJJジージM6ママママママ。)」

 「あら?返事したわよ!笑って―!こっち向いてー!ママママよー!」

 「ばぶ。(さっき、了解じゃ。言うたぞ。)」


 「村長むらおさやお隣さんもきたわよ。」

 「わかった。出迎える。」

 「子供は俺たちに任せて、村人の務めを果たせ。なーに、これでも、両手じゃ足りんほどの子の面倒をみたぜ。」

 「ありがとうございます。じーじさん。」


 「おーおー。村にようこそ!わしが村長じゃ!」

 「うちの子、よく見ていってください。」


 見た目は中年でジジ臭いが、村の少ない資金をやり繰りしているやりてである。


 「おーおー。かわいいのー。よし!村長むらおさギャグを見せてやろう!」


 “1、2そんちょう!2、2そんちょう!3、4がなくて5にそんちょう!イエーイ!!!”


 「「(…。)」」


 やりてである…。


 次から次へとくる村人に子供たちの顔見せをして、振る舞い酒をしているうちに夜になり、親戚以外は帰っていった。


 「ばぶ。(この世界はむずがゆいのー。)」

 「う。(交信が飛び交う世界。不思議です。)」

 「パパもジージも酔っぱらって、あんな格好で寝ちゃって…。あら、お眠?今日は、もう、おっぱいいらないかしら?」

 「ばぶ!(いるのじゃ!)」

 「う!(必要です!)」

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