第6話 魔装
双子が生まれてから数日が立ち、双子はお互いを
「ばぶ。(アーアよ。ここはどうやら、わしのいた世界ではないのじゃ。)」
「う。(
二人は難しい話ばかりしてるなー。パパとしては、もっとのんびりして欲しいよ。
そう思いながら、シートの上に寝かせたネラとアイの頭を2、3度なで温かい目を向けたあと、湖に垂らした釣り糸の様子をうかがう。
「ばぶ。(わしが
「う。(
「よくわからないけど、危ないことは…。」
「ばぶ!(
「う!(
スキルだろうか赤と黒柄のドラゴン風のポンチョをまとったネラが、白と黄色柄のゴーレム風のポンチョをまとったアイを真上に凄い勢いでぶん投げた。
ぶん投げた?!
キラリーン!
あっという間に目に見えないほどの上空に飛んで行く。
「ア?!アーーーーーイィーーーーーーー!!!!!!」
あわあわ、あわあわ、どうしよう、どうしよう…。思考がまわらずに丸眼鏡をせわしなく動かして空を見つめることしかできない。
空に舞い上がったアイがしばらくたつと眼鏡越しに見えてくる。そして、地面に向かって段々とおおきくなる。
そうだ!受け止めなくちゃ!!!あわあわ、あわあわ。
あと数秒で地面というところで、アイは手を広げて滑空し湖の上を石飛ばしの要領でバウンドする。
ぴちょん!ぴちょん!ぴちょ!ぴちょ!ぴちょ!ぴちょ!ぴちょ!ぴちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!
湖の上をUターンし、こちらに向かってバウンドしてくる。
ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!ちょ!
がしぃ!!!
アイをしっかりと、だが優しく受けとめる。
「アイーーー!!!
アイ!!!大丈夫か?!
どこも痛いとこないか?!大丈夫か?!手はついてるか?!足はついてるか?!!」
「う。(
「大変?!どこ怪我したんだ?!直ぐに医者に連れてってやるからな!」
「う!(
「怪我してない??してない?そ、そっかぁ……よ…よかった。」
アイを抱いたまま、へなへなへなとへたってその場に尻餅をつく。
「う。(
「ばぶ?!(なんじゃ?!そんなことあり得るのか?!あの高さで平地に見えるほどなら、この星の重力はどうなっているのじゃ?!)」
「う。(測定しましたが大地の湾曲はほぼありません。考えられることは、この世界に湾曲次元が存在しないか、思考では湾曲次元を認識できないかです。)」
「そんなこと知りたかったのならあんな危険なことしなくても、パパが教えてあげたんだよ。この世界はテーブル状になっていて、端は崖で海の水とともに奈落におちてるんだよ。」
「う。(この世界の知識レベルは猿以下と考えた方が良いですね。)」
がしぃ!!!
パパがネラとアイをしっかりと、しっかりと抱きしめる。
「ばぶ?!(パーパ?!なんじゃ!なんなのじゃ?!)」
うぅぅ…
丸眼鏡ごしにきらりと涙が光る。
「パパはね。ネラもアイも大事なんだよ。大事なんだよ…。」
「ばぶ。(…。)」
「う。(…。)」
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