第5話 授乳

 夫婦は出産の疲れも忘れ、可愛い双子の寝顔に見入っていた。そして、数刻して双子がわちゃわちゃとしだし目を覚ます。


 「ばぶ。(ふぁぁぁ。よく寝たわい。)」

 「う。(ローディング終了。起動シーケンス完了。)」


 「目を覚ましたのね。私のカワイイ、カワイイ、ネラとアイ。」


 「ばぶ。(うぬ?なんじゃ、めっちゃお腹がすいてるぞ?!)」

 「う。(エネルギー不足?内部パーツがぎゅーっってします!)」


 「あらあら。お腹空いたのね。」

 「ママ?よくわかったね!」

 「えへへ。新米ママでも、このくらいはわかります。」


 「いっぱい飲んで大きくなるんでちゅよー。」


 「ばぶ。(すんすん。この匂いはパクリ。ちゅちゅー。おおぉおおおおおおおお!!)」

 「う。(未確認情報確認。パクリ。ちゅちゅー。!!!!!!!!!!!!!)」


 ママの左胸にネラが吸い付き、右胸にアイが吸い付く。


 「はいはい。慌てないの。たっぷりと飲むんでちゅよー。」


 「ばぶばぶばぁー!(これは凄い!凄いぞーーーーーー!!!!マーマ?!マーマ?!)」

 「うぅうぅぅうー!!(はい!これは凄い!凄い情報です!外部出力する方法がありません!!!MMマーマ?!MMマーマ?!)」


 「それは美味おいしいって言うんだよ。ママのお乳おいしーねー。」


 「ばぶっ!!!!(お乳美味しいーーーー!!!!マーマ!!)」

 「う!!!!(お乳美味しい重要情報ですーーーー!!!!これは補給機MMマーマと専用回線を結合する必要があります!)」


 「ばぶっ!(同意じゃ!これは他には渡せないのじゃ!龍宝ドラゴン・アーク!!!)」

 「う!(専用鍵アンカー・ロック)!!!」


 ぇ?何何何ぃぃ???


 ママの左胸に燃えるような入れ墨が広がり、右胸に幾何学的な模様が広がっていく。もし、パパに科学の知識があったなら、右胸の模様を精密基盤のようだと認識しただろう。


 ぇ?渡せないってどういうこと?

 「ママ。ちょっと右胸触るよ。“ぼわっ!!!”あつっ?!!!!」


 ぇ?専用って???

 「ママ。今度は左胸触るよ。“ビリリィ!!!”いたっ?!!!!」


 「ばぶ。(パーパ。これは、わしのじゃ!)」

 「う。(そうです!PPパーパ。これは、メイン機専用です!)」


 「いやいや。ダメだよ!ママのおっぱいの半分はパパのだよー!」


 「パパ。何を恥かしいこと言ってるの。子が初めてのスキル使ってまで、ママを求めてくれたのよ?どんなスキルか分からないけど良いじゃない。赤ん坊の期間なんて1年くらいなんだから。」


 「えっ、ママぁ…。」

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