第4話 顔見せ

 「もう!本当にしっかりしてよね!」

 「悪かったって、パパとしてまだ自覚ができなかったって感じだから。」

 「あんなに悲しい言葉を言われると思わなかったわ。(しくしく。)」

 「本当にごめん。もう、あんなこと言わないから。俺が君にメロメロだって知ってるだろハニー?」

 「う…。ゆ、許してあげるから、この子たちの顔を見てあげて。(てへへ。)」

 「うん!もちろん!愛してるよ。」

 「ふひ。(てへへ。)」

 「こんにちは。俺の娘たち。」


 妻の感情がわかるのと同じで、子供の心の声が聞こえるのは、きっと俺のスキルのせいなんだろうなぁ。


 「ママと同じブロンドがおねーちゃんで、ネラちゃんだね!パパだよ~。」

 「ばぶー。(なんじゃ?!ぼやけてよく見えないが、わしよりデカイ奴は、はじめて見たのじゃ!)」

 「パパだしね。おっきいんだよ~。」

 「ばぶー。(パーパか。わかった、これから面倒みてやろう。)」

 「ハハハ…。面倒みるのはこっちだからね。ちなみに君の名はネラだよ。よろしくね。」

 「ばぶー。(何を言っているのかわからんが、好きに呼ぶとよい!)」


 「パパ?さっきから、何を話してるの?」

 「ママ。なんでもないよ。なんとなくだから気にしないでね~。」

 「そ、そう?」


 「君はパパと同じ黒髪なんだね。アイちゃん!よろしく~。」

 「う。(テレパシーらしき情報?いや音声?認識。作業指示と認識。)」

 「えーと。君の名はアイだよー。作業指示なんてないよ。僕たちの子として生まれてきてくれてありがとう。」

 「う。(?外部情報に接続して確認します。外部ユニットとの接続が確認できません。)」

 「うーん。妹の方は意味不明だねー。」


 「意味不明はパパでしょ。はいはい。二人とも眠そうだから、もうおしまい。」

 「うん。わかった。未熟なパパだけどよろしくね。ママ・・。」

 「ええ。こちらこそ。パパ・・。」


 新しい家族のネラとアイ。家族の温かい時間が流れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る