第6話 よろしく麗亜
「ところで、お姉さん」
「何?」
「お姉さん、歳いくつ?」
「女性に訊くのは失礼だよ」
「訊かれると、困る歳なの?」
「うん」
即答された。
「いいわ。許嫁なんだから教えてあげる」
「ありがと、いくつ」
「人間で例えたら、20歳かな」
「初めてあった時は?」
「20歳」
「どうして、変わらないの?」
「私は精霊だから、歳は取らないんだよ。ラッキーでしょ?
でも、この世界では年齢は加算されていくから」
確かに、奇麗なままでいてほしい。
でも、このままの容姿で、永遠にいるのは、逆に怖い。
「大丈夫だよ」
「私たち精霊は、不老ではあるけど、不死ではないから」
「えっ」
「死ぬ時は一緒だよ」
あの世でも、一緒なのか・・・
「そうそう、春くん」
「どうしたの、お姉さん」
「今日から、私の名前は加藤麗亜だから。」
「かとうれいあ?」
「うん」
「また、カトレアのもじり?」
「正解」
いや、誰でもわかるから。
「あっ、でも親にはなんて」
「大丈夫」
「えっ」
「もう知ってるから。戸籍も登録してあるから」
はやっ
「あら、麗亜ちゃん、もう着いてたの?」
「あっ、おかあさん、よろしくお願いします」
お袋が、お姉さんと話している。
どうやら、本当のようだ。
「春雄、許嫁なんだから、麗亜ちゃんを大事にね」
「わかったよ。で、結婚式はいつ?」
冗談で訊いた。
「18歳の、あんたの誕生日」
ちょっとまて!
「あんたを男子校に行かせたのも、麗亜ちゃん以外の女の子に、
目をいかせないためよ」
それは違うが、そうなっているのか・・・
「そういうわけだからよろしくね、旦那様」
お姉さんは笑う。
これが運命なら、受け入れよう。
「よろしく、麗亜」
水晶玉 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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