第42話【あんなこと言わなければ良かった】

『高二女子・仁科美愛から見える光景』


 ほんっとうに心底どきりとした。あの実体の無い髪の長い女のことばに。

 いまの水神くんに本気でお願いされたら、その願いをきいてあげようって思いかねない。でもそれは杞憂。水神くんはそんなお願いはしなかった。むしろ逆で、わたしに『剣を持つな!』って言ってくれた。


 わたしが水神くんに言った最初のことばが『ストーカー』なのに。こんなことなら……あんなことば言わなければよかった……

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