4-5 Nightmare【悪夢】
その夜、僕は翔と話していた通りにどう英語を勉強するかを考えることにした。
まず、英語の教科書であるがこれが全くと言っていいほどわからない。毎回の授業で、辞書とにらめっこして単語の意味を調べて、なんとか意味が通るような和訳を作ったりするが、それで英語を理解しているとはいえない。そもそも、ほとんどが英文で構成されている教科書はどう勉強に使っていいのか分からない。
教科書のことは置いといて、文法の参考書を見てみる。be動詞に一般動詞、不定詞、動名詞、といろいろな単元に分かれているが、そのほとんどについて僕の理解は曖昧である。でも、こうして改めて真剣に読みなおしてみるとどうしようもないという程ではなく思える。文法の説明は、数学とかに比べると単純なものが多いし、全く理解できないということはない。
しかし、その単元の多さと分厚さには辟易する。さらに、実際の英文ではこれら全部が無作為に複合して出てくるというのだから、全くのお手上げである。
単語帳は、高校入学時に買ったもので、毎回の授業の小テストにもなっているから、その範囲までの単語には意味を知っていたり、見覚えがあったりする。やることが明確で単純であるから毎回の小テストでは授業直前の詰め込みだけである程度点が取れていたし、今から本気でやるにしてもやり方はある程度分かるような気がする。
しかし、その分量が半端なものではない。この単語帳だけでも二千くらいの単語があり、学校のペースに合わせていたら一体いつ終わるんだと疑問に思うほどの分量がある。しかも、この単語帳だけをマスターすればいいというわけじゃないということは僕でもはっきりとわかる。実際に必要な単語数は、一万? 二万? あるいはそれ以上? 一体、何単語覚えればいいんだと考えると、それは雲をつかむような話にしか思えなかった。
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