第78話

 ドナは、秘書に送られて会社を出ると、開口一番、佑麻を責めた。


「お礼に来たのに、突然相談を切り出すものだから、ジョンが怒ってしまったじゃない」

「いや、あんなに怒る方が変だろう。別に失礼なこと言ったわけじゃないんだから」


 ふたりの口論に麻貴が割って入る。


「私は、佑麻やドナがやろうとしている事はいいことだと思う。それにしても、ジョンの断り方が変ね。彼らしくないわ…。ねえ、この話少し私に預けてくれない。ジョリービーの名付け親に相談してみるから」

「えっ!」


 佑麻もドナも、そう簡単に言い放つ、麻貴の底知れないネットワークに度肝を抜かれた。

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