こう言わなきゃ見放される。それが僕にもわかったから。
やるべきことをやらない。それは、未来の自分への仕事の押し付けで、どんどん僕を追い込んでいく。わかってる、そんな簡単なことはわかってる。でも、体が心がついていかないんだ。そして、周りの人間は僕に問う。やる気はあるのか?と。この問いは僕をさらに絶望の淵へと追い込んでいく。僕は、ある、と当然答える。実際、やる気は本当にあるのだ。だが、また、僕は問われる。本当か?じゃあ、ちゃんとやるんだな?と。この問いは根本的に間違っている。やる気があろうがなかろうが、できないものはできないのだ。しかし、これにNOと答えれば、やる気がないと、そう判断されるのだ。さっきの答えは虚言だったと。もちろん、そういうわけではないのだが、やる気がある=やる、だとどこか勘違いを起こされているのだ。だから、僕はYESと答え“なければならない”のだ。そしてまた、無理な要求に僕は翻弄され、何もできずに一日、また一日と終えていくのだ。気づけば時間が経っている。昼だったはずが夜に、夏だったはずが冬に。現実逃避は僕の支配下を抜け、襲い掛かってくる。そんなつもりは毛頭ないのだけれど、また、やる気がないと、勝手な推測に僕はNOと答えなければならなかった。さて、今日もまた布団に戻るとしようか。
脳内再生 幽素 梔(ユウシロ クチナ) @yoshida-kutina
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