脳内再生
幽素 梔(ユウシロ クチナ)
布団
布団から出たくない。出ては戻って、出ては戻っての繰り返し。「やればできる」という言葉は嫌いだ。やればできるなら、やったって意味がない。できないと言われながらも成し遂げる、それが面白いんじゃないか。なにか間違ったことを言ったかな。やらなければいけないことは多すぎて、もう半分諦めモードだ。とはいえ、不安と焦りが襲ってくるというのだから、不思議なものだ。日々くだらないことで友達に突っかかっては、その人数が減る。それでも、まだ周りに人がいてくれるというのも不思議だ。こんな、自分でも把握できない程の面倒な性格なものだから、嫌われていくのも納得できる部分はあるが。しかし、他人を嫌えないというのは、なぜなのだろうか。これは昔からの謎だ。嫌われるのに嫌えないというのも皮肉なものだ。「嫌い」という概念の理解ができていないのか、そもそも嫌うことができない性質なのか。これを考えるだけで人生を費やすに十分なテーマかもしれんが、大体はネットか病院で調べればわかってしまうのだろう。わからないから面白いのに。だがまぁ、僕の人生のテーマはどのみち小5の頃から決まっているから譲れないが。それは何かというと「僕の存在意義」である。まぁ子どもらしいと言えばそれまでだが、大人もわかるまい。何のために生まれたのか、生きているのか。そもそもそこには意味などないのだけれど、無意味なものほど意味をつけたがるのが人間だ。「意味」がないと、「理由」がないと不安で不安で仕方がないのだ。大半の人間はそこから目を離すことで解決するが、実に賢いと思う。僕のようにくだらないことばかりに固執して、まして人生を費やすなど時間の浪費もいいところだろう。いや、僕自身それを楽しんでいるからこれでいいのかもしれない。だから友達が減るのだろうが。これは今のものだが、毎日のようにこんなに頭をパラパラと独り言の論争が巡るのだから、ついつい時間が過ぎて行ってしまう。ああ疲れてきた。また布団に戻るとしようか。
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