第22話 白城
「久しぶりでもないか。この間少し会ったばかりだしな」
「だな。この間ことは何も聞かないけど。お前が元気なようでなりよりだ」
ほんとに久しぶりでも何でもない。この間会った時、以前に会っている。クローンの時だった。出会いがしらに胸を揉まれたのは衝撃だった。
コイツは多分
机で寝ているクローンを見れば別人と思ってくれるだろう。顔はそっくりだがな。
「なぁ、白城。コイツってさぁ、森の中で寝てたやつか?」
「うん、そうだ。中学からの付き合いだったが、お互いいろいろあってここひと月会っていなかった」
「いろいろかぁ。そこは何も言えねぇけどよ。このクラスに顔が似ていて同じ名前の奴がいるなんておかしくないか?男女でさぁ」
「なにがいいたい?」
「白城がコイツのこと昔から知っているのは分かったが、俺が言いたのはコイツと女の方の水泡ちゃんが同一人物説をいいたい。昔知り合いが読んでたラノベの設定が女体化物と今の状況が似ていたんだ」
結構鋭いところついてくるな。
俺とクローンは中身では同一人物だからその説は正しいが、その情報を知られるとこっちがヤバい状況に陥るからここは否定させてもらう。
先生達も俺らのことを知れらたくないなら遠回しでいいから詮索をするなと止めさせればいいもののこれじゃあ早いうちに俺とクローンの関係性がバレてもしかたないぞ。
もしかしたら、白城は感づいているかもな。
「その女の子ならそこで寝ているぞ」
月希に弄ばれているクローンを指す。
「マジだ。俺の説は間違ていたか」
「それにお互い
「俺達と同じ立場ねぇ。まいいや、一年間クラスを共にする好だ。俺は佐々木一年間仲良くしようや」
「もしかすると白城から聞いていると思うけど水泡だ。こちらこそよろしく」
佐々木とあいさつを交わす。
白城と佐々木の立ち位置は知らないが俺が知っている情報だとメテオと戦っているということだけはわかる。先生達、学園側に少し不信感を持っているのは佐々木だけのようだが今は素直に指示に従っているとうだ。
白城達も俺に隠していることがあるようだ。相手が隠してることを無理に聞くことはない。こちらも隠し事があるわけだからお互い聞かないほうがいい。
たとえ相手が隠していることが俺にとってデメリットがあろうが知らぬが仏だ。
「それにしても一人だけ後ろにポツンと寂しいね。なんでお前だけが後ろにいるんだ?」
「好きでいるわけじゃね。成り行きでこうなったんだ。もとはこのクラスも40人の予定だったけど学園側のイレギュラーで41人なったらしいから最後にきた俺がこうして後ろ席になったわけさ」
くっ、ほっとけ。両隣がいなくても寂しくなんかねぇ。アウェー感が半端ないが前の席があるから寂しくないもん。
「なぁ、水泡」
「ん?どうした」
「放課後カラオケでも行かね?中学の時みたいにさ」
「白城。いいね」
久しぶりに白城とカラオケか。ストレス発散目的で行くのもいいかもな。予定は何もなかった。
「久しぶりでもないか。この間少し会ったばかりだしな」
「だな。この間ことは何も聞かないけど。お前が元気なようでなりよりだ」
だ?」
久しぶりに白城とカラオケか。ストレス発散目的で行くのもいいかもな。予定は何もなかったはずだ。
佐々木も行くようだし。
「最近嫌なことがあったから行く。最近受験勉強ばかりだったしな」
「ふ。受験勉強なんてあまりやってこなかったくせに」
っく。白城に鼻で笑われた。白城がいった通り勉強なんてそれほどやってこなかったが。
「水泡が来るってことはワンチャン女の子がくるのか!」
「マジか!」
佐々木よ。なんで俺が来ることによって女子が来るんだ。俺は女子を引き寄せる磁石かなんかなのか?そんなことをいうから白城が絶望的な顔になったじゃないか。
そもそも女子が苦手な白城がいる以上、女子呼ばないし、たまには男子だけの空間にいたい。女子の体を手に入れた俺が言うのもなんだがこの発言はBL発言ポイな。
白城もそう身構えるな。女子は来ないから。
「女子は来ないぞ?何を勘違いしているのかわからないが誘わないし、白城がいるから女子を呼んだら白城がかわいそうだろう」
「白城がいるからダメか。水泡だったらあの中のだれか紹介してくれね?」
あの中の誰か?
佐々木の視線を追うとそこにはクローンを玩具にする月希を中心に周と雹の四人がいた。特にクローンを見ていた。
あれらを佐々木に紹介か。
クローンは絶対にダメだし、月希は口が軽いから秘密をうっかりポロリとしゃべっちゃうかもしれないし、周は佐々木みたいな男は苦手そうでグイグイきたら周もしゃべっちゃいそうだ。雹はどうだろう。うん。何を考えているのかわからない。論外だ。
佐々木の目的はわからないを俺の秘密を知っている四人は関わらせないようにしよう。
「あいつらはやめたほうがいいぞ。これは冗談じゃないぞ。癖が強すぎるからほかの女子がいいんじゃないか」
佐々木に必死に忠告した。
「ハーレムラノベの主人公みたいなこと言ってるの?四人いるんだから一人ぐらい紹介してもいいじゃん」
「いやいや、あの四人はおすすめしないって言っているんだって。ほかにもいい女子いるんだしさ」
「そうか?でも彼女が欲しいけどこんな学校に入っちゃったしな」
なんとか諦めてくれたようだ。
しかし、佐々木は現在おかれている状況で彼女作るきはないらしい。化け物共と戦う中で恋愛している余裕はないということか。
俺もいきなりこんなことに巻き込まれてこんな体にされて家族あったらなんて顔をしたらいいのかわからないし、とりあえず先生達の指示に従うしか選択肢はないようだ。学園と敵対関係にある人物に顔を見られてこれからなにかできる選択氏はない。
「お?もうすぐHRが始まるな。放課後は絶対カラオケな。水泡、女子を理由にバックレなしな。それと三人じゃあれだろ?もう一人さそうわ楽しみにしてくれ」
「雪、お前とカラオケに行くのは楽しみだがあまり無理するなよ。話は聞いているが最近まで意識不明だったんだろ?」
「まーな。そうみたいだけど俺にとっては少し寝ていただけだ。白城が気にすることはないぞ」
「おーい。お前ら席に就けHRが始めるぞ」
「そうか。じゃあとでな」
今、入ってきた一夜先生の声で白城の声が聞こえなかったが白城の顔はどこか寂しそうに見えた。
そして先生の声を合図に白城と佐々木は自分の席へと戻っていった。
よし、前と違って授業の準備は前日にやってきたからお隣の世話にならなくて済む。教科書を見せてもらえるお隣はいないが。
さてHRの後の一時間目は数学だったな。三日間ほど自宅謹慎くらっていたから授業はどこまで進んでいるかな。ホームの中で雹先生の下で予習してきたから大丈夫のはずだ。
雹はすごいな。あそこまで高校の授業を事前に予習していたと俺も見習わなくちゃな。塾やネットで習ったのかな?そのおかげで俺も授業におくr
れることがなく済むな。
あれ?おかしいな。一瞬視界がブレたぞ。事故の後遺症か?今の感覚は目が覚めた時と同じだった。何気に教卓の位置に近づいた気がするな。もしや!
俺は自分の胸に恐れながらも触れた。感触は膨らみがある弾力、そして胸に重みがる。恐る恐る視線下すとそこには膨らみがある自分の胸があった。胸のふくらみのせいで
俺は気が付けばクローンを動かしていた。
何の引き金でクローン変わったんだ。
「せんせーい。水泡君が速攻で寝ました」
「何?水泡が!」
女生徒の声に反応して教卓の方を見ると先生と目が合った。
「水泡か。まいい、これも事故の後遺症だろう。ほっとけばその内起きるだろう?HRは見逃してやるが授業では原点してやるからな」
「本当に事故の後遺症何ですか?さっきまで起きてましたよ」
「意識が失うのかそこは私にもわからないな。さっきまで意識を失っていた水泡ちゃん、お前はどう思う?」
先生がクローンの俺に話を振ってきた。こいつ状況をわかってていってやがるな。
「私にもわかりません」
何が引き金で意識が移るのか原因がわからないのは本当だ。無意識のうちに乗り移つっていた。今日はこのままなのか?嘘だろ?
白城達の約束はどうなるんだ。久しぶりの男友達と遊ぶんだぞ。
早くもとに戻らないと一日どころか二日三日、一週間もこのままクローンで過ごさなちゃいけないのか。
「本人は聞いているからほっとけ。その方が見ていてこちらとしては面白い」
「え?先生今なんて?」
「気にするな何でもない。意識がないとはいえ、誰も保健室には連れて行くなよ」
HR後は気を失っている
数学が終わり休み時間になった。
「ユっちゃん、HRが始まる前まであっちだったじゃん?なのにこっちになったの?」
「俺、私に聞くな。それにここでその話をするな。せっかく放課後白城達と遊ぶ約束をしていたのにな」
「ごめーん。教室で話しちゃだめだよね。誰が聞いているのかわからないしね」
「白城達というとHR前に雪さんと話していた男子ですか?三日前に登校したとき雪さんを凄く睨んでいましたけど?」
「それはあいつの事情があるんだ。そのせいであいつは女子には近づかなし、あんな態度だから用がなければ女子も好き好んで近づかないんだ。月希以外は」
月希は誰構わず人懐っこく付きまとうからな。相手の迷惑考えずに誰とも仲良くなろうとしているからそこは憎めないのは月希の才能ではないのではないだろうか?
中学時、月希が白城にしつこく付きまとうから白城がどうにかしてくれと頼まれたことがあった。俺とクラスメイトの女子が説得した結果距離を置くことになった。
あの時の女子の説得いたメンバーと内容に疑問が残った。
どうしてBL好きの女子しか説得しなかったののだろうか?男同士の友情に女子は不要とか意味わからん。
「ルイは男同士の熱い友情には割って入ることはできないよ」
「男同心の熱い友情というとBLですね。でも複雑ですぅ」
男同士の友情=BLとかなんでそうなるの?もともとの目的と別のベクトルに向いているのだが。結果的にあいつの近くには月希が近づくことはなくなったから目的が達成したが結果の内容が解せぬ。
「でもやっぱり白城さんって雪さんのこと」
「なんでそうなるんだ!」
周がそんなおぞましいことを言い始めた。
結果的に女子の間ではそうなったが俺とあいつのBL展開なんてリアル進行形でない。あいつと俺はただの友達だ。それ以上はない。
「だってあれを見てくださいよ。雪さんを見るあの目を」
「わかった。俺、私が止めてくる」
「ルイも止めるー」
周が指した方向を見ると雹が俺の本体の膝の上に座り、いとおしそうに頬をなでるのを見る男子達の図があった。男子達はその光景を恨めしそうに見る者と、羨ましく見る者の二つが存在したが白城はただ俺の本体を熱い視線でじっと見ていた。
白城、嘘だよな。お前と俺はただの友達だよな。
ほかの男達は「水泡の代わりになりたい」とか「殺して俺の膝の上に座らせる」とか意味不明なことを言っているがあれは雹の玩具にされているだけだぞ。
どこがうらやましいのかわからない。雹の玩具になりたいってことはうちのクラスはM男しかいないのか?
当の雹はというと。
雪の頬の触り心地を楽しみ、お尻に感じる雪の膝の暖かさを味わっていた。そしてお互いの口と口が触れ合うほど近く、雹の息が激しくなっていく。
雹の表情は真顔のままだが、心の中はそうでもなかった。
『雪くん雪くん。雪くんを一人占め、近い。近すぎる。このままキスしちゃう』
はたから見たらイチャイチャしているようにしか見れない。
雹の天国タイムは終わろうとしていた。
「雹、おふざけはここまでにして二時間目の準備をしろ。そして回りの目を気にしろこっちが恥ずかしいわ」
「ふふふ、ヒョウちゃん一人占めなんてそうはいかないのだ」
雪と月希の魔の手によって終わりを迎えたと思いきや雹は雪とクローンの顔を掴み自らの胸に押し当てて最高の瞬間を味わった。
「ぷはっ、何やってんだ。雹」
「何って?たのしいからやっているのよ。それ以外に何かある?」
「おまっ、何を言って」
「次の授業始めるよー」
ちょうど二時間目の先生が入ってきて、次の授業のチャイムが始まった。
俺は雹を問いただすよりも
次の休み時間は俺の体が玩具になると思うけど。
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