第56話 再会

 母が急逝した。

 遺影に使う写真を選ぶため、押し入れからアルバムを引っ張り出し、どの写真にするか夫と急いで探すことに。

 私たち家族は年に二度家族旅行をするのが恒例で、写真は毎回結構な枚数を撮っており、いつも母は気に入った写真を現像させ写真立てに入れて自室に飾っていた。

「しっかしばあちゃんは目ぇ瞑ってるのが多いなぁ」夫が笑い、その間は悲しさを忘れつられて私も笑う。

 最後に飾っていた写真はピースをしているが顔にギリギリかかってないので、この写真にしようかと手を伸ばし写真立てを開けたその時だった。母の若い頃の写真が後ろに入っており、その写真がぶるぶるっと震えるとひゅうんと飛び出し隣の仏間へ。

 驚いてすぐに追いかけたが見失ってしまったのでまた探すことにし、明日が通夜なのでこの日は就寝した。

 翌朝、父の仏壇を拝もうと水を持っていったときに気がついた。


 写真の若い父の横に、若い母が嬉しそうに寄り添っていた。

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