第19話 にゃんスタグラム

 私は黒猫。

 女のご主人様に一年ほど前にこの家に連れてこられて、毎日癒しと温もりを与えています。


 でもご主人様ったら一人暮しなのをいいことに帰宅したら服はぬぎっぱなし、胡座をかいて食事をし、休日には下着だけで一日を過ごしお腹やお尻を思いっきりボリボリ。

 別にいいんですよ!

 私しか同居猫はいないんですから。


 でもですね、私はこういう一瞬を決して忘れたくないんですよ。


 ですので、ご主人様の隙をついてその瞬間の写真を撮るのです。

 ええ、人間はまだ気がついてないんですけどね、私たち猫族は目に焼き付けたものを写真に撮れる能力を持っているのです。


 やり方は簡単。

 顔を洗っているフリをして髭を軽く引っ張るとシャッターが押せる仕組みなんです。

 撮った写真は直ぐにシッポを振って「猫ネット」へ送信!

 するとそこに保管されるので、ご主人様が留守の時にそこからより面白い写真を選択して、にゃんスタグラムにアップ。

 そこには人間の醜い写真が沢山集まっていて、一度アップするとすぐに『イイにゃ!』が1000を越えるんですよ。


 とっても笑えてストレス解消になるので、今一番の趣味ですねぇ。

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