第3話 昼寝から目覚めたら・・・。

 ある日、俺は書斎の机で突っ伏して昼寝をしていて、目覚めたら全身毛むくじゃらになってて、長い髭が顔の両端に見えてビックリした。

 思わず叫んだが、その声は猫そのものだった。

 

 『にゃ~‼』という甲高い声を聞いた妻が間もなく書斎にやって来たが、

「あら猫ちゃん!いったい何処から入ってきたの?」

と呑気に俺に向かって話しかけた。

 が、その後家中探しても俺が見つからないので、子供たちも含め家族総出で近所を探し、それでも見つからないので、警察へ捜索願いを提出した。


 俺は必死に鳴いたが、結局俺が俺だという証明はどうしても出来なかったので、俺は家出して行方不明ということになった。

 

 そして猫の俺は書斎に居たので、俺だと思って可愛がると皆に言われ、飼われることとなった。

 名前もそのままパパと付けられた。

 

 数ヵ月後、行方不明の俺は死んでないのにとうとう写真が仏壇に飾られた。

 堪らず仏壇に登り写真を倒し、落としたが、

「パパダメでしょ‼」

と叱られ、小さく丸まるしかなかった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る