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「でもさ、私が人に魔法を教えるって向こうの世界で誰かが知ったら驚くだろうね。『ここまでやるの?』ってね……」


 ふふふっと長塚は自分がそう言われる妄想をしていた時、ガチャンと大きな音がした。時坂がコップを割っていた。丁度、宙に浮かしていたコップが地面に落ちたのだ。コップの破片が飛び散り、足の皮膚を切ってそこから血が出てきた。時坂は自分の血を見ると、スッと力が抜けて後ろに傾き倒れそうなった。


「……なんかごめんなさい。気を抜いたらすぐに落ちちゃって……。長塚さん、ほうきと塵取りを持っていないかしら?」


 時坂は近くにあったティッシュで止血をした。さすがに刃物並みの破片だと血が止まるのに少し時間がかかる。


「大丈夫、その破片とその怪我を見せて……」


 長塚はそう言って時坂を人差し指で指し、魔法を唱える。


「……時よ、元に戻れ」


 すると、コップは元の形に戻り、時坂の怪我は血が止まり、傷口が塞がっていた。そして、コップは宙に浮き、元の位置に戻る。時坂は唖然とした。俺は時坂の体をさせたまま変な体制で体が痛い。


 重い……。

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