鬼の子

@snaosinn

第1話 鬼の子

「僕は桃太郎おまえ達を退治しにきた!」


桃太郎そう言って鬼達を皆殺しにしていった


鬼は僕を残してみんな死んだ。

青鬼、黄鬼、緑鬼、大人から子供までそして父さんの赤鬼も全員死んでいった。


僕も切られたがどうやら助かったらしい。


父さん達が死に涙は出なかった。


僕は連日酒にあけくれ力に任せて行動する頭の悪い父が嫌いだったし自由になれたと言うのが大きな理由だと思う。


自由になったというのもこの鬼ヶ島は実力主義で力が全てだった。

そのため子鬼にはとても生きづらかった。

その為食い扶持も自分で確保しなければならなかった。

子鬼の死因の半分が餓死なくらいだ。


それはさておき、これからどうしたものか。


鬼らしく復讐しに行くべきか、それともひっそりと1人で生きていくべきか、選択肢は沢山あるがなんとなくひっそりというのはどうやら自分の性には合わないらしい。

やはり僕も所詮は鬼の子という事だ。


だが復讐といっても僕一人では戦力が足りないのは明白だ。


父さん達はなぜ負けたのだろうか。

戦力で言えば一人で村1つ潰せる大鬼が何人もいたんだ。

決して劣ってはいなかったと思う。

ではなぜ負けたのか、やはり知能の低さだと思う。


鬼ヶ島では力が全て。

そのため鬼の子供は生き抜く為に頭を使う。

そして、生き抜いてきた子鬼は大鬼になり力をつけ頭を使わなくなる。

そしてどんどん頭は衰えていく。


その中でも僕はずば抜けていたと思う。

これは自慢とかの類ではなく、周りの子鬼を見てもこれには確信を持てた。


まず復讐に当たって必ず必要なものは仲間だと思う。それも父さん達に引けを取らないほどの戦力が欲しい。

そこで子鬼を増やそうと思う。


鬼にはメスがいない。

では子鬼の母体はなんなのか?

それは人間のメスである。


そもそも鬼はどの生物とも生殖が可能である。

犬だろうが猿だろうがキジだろうがどの生物とでも子を作ることができる。


そして鬼との間にできた子供は鬼の血を濃く受け継ぐため普通の生物より身体能力が向上し気性が荒くなり雑食になる。時には共食いだってするようになる。


そのため鬼との子が世に放たれると生態系が崩れかねない。

鬼はこの世界にとって異分子といっても良いかもしれない。


まぁそんな中で生態系が崩れなかったのは父さん達が人間にしか手を出さなかったからだろう。

理由は簡単である。

人間のメスが1番具合がいいからだ。

ただそれだけの理由である。


なので僕はそこをついて見ようと思う。


片っ端から種を植え付けどんどん勢力を増やしていけば早くても2年以内には戦えるほどになると思う。


これからだ、

これからが、、俺の復讐の開始…


いや復讐なんかじゃない。

これは俺から桃太郎、父さん、この世界

へ向けた挑戦状だ。


楽しくなりそうだよ…











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鬼の子 @snaosinn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る