第2話 相談

「ハーレムチートは、大卒者か実務経験のある人じゃないと難しいんだよね~」

と相談員は僕の目を見ていった。

 僕は目をそらして、また相談員が使っているマウスに目を向けた。

「でも、まぁ、一応、未経験募集もあるので、いくつか異世界票出しますね。」

と相談員は言い左奥にあるプリンターを使って異世界票を出した。

 僕は、相談員が出してくれた異世界票を一枚、一枚丁寧にみていく。


一枚目

異世界票(フルタイム)

異世界名 チート魔法使いがハーレムを築いちゃった☆

職種   ★未経験歓迎★ チート魔法使い | 人間

仕事内容 ・悪の組織をワンパンで倒す業務

     ・ハーレムの形成

     ★未成年エルフも抱けます!!

学歴       不問

必要な経験    不問

必要な免許・資格 不問

異世界の総人口 2億人

異世界の特徴 みんな死ぬほど頭が悪い

採用人数 一人

選考方法 面接 書類選考 筆記試験

補足事項 異世界見学があります。

電話番号 xxx-xxxx-xxxx


二枚目

異世界票(フルタイム)

異世界名 チート魔法使いとハーレムwwwwww

職種   チート魔法使い | 人間

仕事内容 ・特に決まってない


学歴       不問

必要な経験    不問

必要な免許・資格 不問     

異世界の総人口 10人

異世界の特徴 やりがいを感じることができる。アットホームな異世界です。

採用人数 一人

選考方法 面接 書類選考 

電話番号 xxx-xxxx-xxxx


三枚目

以下略


 僕は、合計で8枚の異世界票に目を通した。

「どうですか。気になった異世界はありますか。」

と相談員が聞いてきたので、僕は

「この異世界が気になりました。」

と言って、「チート魔法使いがハーレムを築いちゃった☆」の異世界票を相談員に渡した。

「この異世界見学に行ってみたいんですけど」

と僕が言うと相談員は

「あー、わかりました。いつ頃がいいとかありますか?」

「いえ。ないです」

と僕は答えた。

「わかりました。じゃあ、ちょっと電話かけてみますね」

と言うと相談員は右にある固定電話の受話器を取り、僕が渡した異世界票に書かれてある。電話番号にかけた。

プルルル~と高い音が室内に響いた後、ブチっという音が微かだが聞こえた。

「もしもし、お世話になっております。異世界ハローワークの立花です。異世界見学の件でお電話させていただいたんですけれど、あっはい、そうです。異世界見学に参加したいという方が今お見えになってまして、あっはい、そうですか。はい分かりました。失礼します」

といい相談員は優しく受話器を置く。

「えーと、異世界見学なんだけれども明日の1時から行われるそうなので、えー、頑張ってください。」

「わかりました」

と僕は言い椅子から立ち上がり、椅子をもとの位置に戻してから

「ありがとうございました」

と言いつつ、一礼をした。

 それに合わせて相談員も立ち上がり礼をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る