第3話

「プランDだ!!」

「えっ?さっき聞いたのは、プランAとBだけだったけど?」

「プランD、つまり行き当たりばったりと言う事だ〜!」



 こんにちは、新人OL(outlaw)です。

 面接の後

『五分で終わる簡単なお仕事をやったら300万円の報酬を税金無しで即払い』

 と聞き即座に

「五分で300万?!は、はい!やらせて下さい!」

 と言ってしまった現金に弱い女です。

 面接を担当した人から『足の付かないスマホ』を渡され、スマホに届くメールに書いてある場所へ行き、その場所に居る同業者にメールに書いてある『合言葉』を言い指示を仰げと言う事で、指示された場所へ行くと・・・。


モロに忍者の格好をした人が、口の部分の布を下ろしてスマホ片手にヤマザ○の○シアパン(一個、約1200カロリーで百数十円)をベンチに座り食べている。

あのパン、癖になるのよねー。

おもむろに近づき「月が綺麗ですね」と合言葉を呟く。

私の姿に一瞬ギョっとした忍者さん。

「ええ、新月の夜ですがね」


数秒、見つめ合う二人・・・


気まずい沈黙に私は耐えかねて

「そのパン、癖になりますよね、カロリー凄いのに安いし。私、それにマヨネーズをかけてカロリー爆上げにするのもやってます!」

と恥ずかしい様な話しを話題として捻り出した。


マヨネーズと言う言葉で目をむいた忍者さん、私をマジマジと見てから

「メールに期待の新人と書いてあったからどんな者かと思っていたが・・・普通、待ち合わせ場所でこのパンを食べていたら引く筈なのに、拙者の知らない上級追いマヨネーズ・・・凄いな期待の新人outlaw。拙者の事は、百地(ももち)と呼んでくだされ」

と頭を下げた。


私は、そんな百地さんを見て姿勢を正し

「新人OLの白石重乃(しらいし しげの)です。宜しく頼みます。」

と頭を下げた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る