ゼロ編 第8話 あらまし

 全ての事のあらましを知りたいのじゃろう?


 光一つない空間で知ったジジイの声が響く。

 地に足をつけている感覚はあるも、零司は状況の変化に戸惑わず、いつでも駆け出せるよう身構えていた。


 そう、それはわしがまだ大学生だった若かりし頃の話。

 日夜、研究と発明に明け暮れ、寝食すら忘れていたある日のことじゃ。

 難航しておった発明品の完成に糸の切れたわしは空腹で倒れかけた。

 その時、どこからか空腹で動けぬわしを駆け出させる匂いが漂ってきたのじゃよ。

 気づいたら発生源である店に駆け込んでおったわ。

 つい最近できた洋食店でのう、シェフがもうべっぴんさんで、料理も絶品ときた。

 特に、そうビーフシチューが飢えたわしの胃を満足……――


「だ~れが、ばあさんの馴れ初めから語れと言ったか、クソジジイ!」

 零司は勘に従い、暗闇に向けて跳び蹴りを放つ。

 靴裏より硬く平たい衝撃が走り、接触点近くより人の気配あり。

「そのシェフがばあさんで、惚れ込んで毎日通ったとか、何百回も聞いたわ!」

「そうじゃ、そして、発明家として大成したわしのプロポーズを喜んで受けてくれたわ!」

 暗闇に明かりが灯り、全体を露わとする。

 体育館ほどの広さと高さがある空間で、天井から床は白く、各所は壁で仕切られている。

 各場所には用途不明、組立途中の機械が台の上に並べられ作業アームが火花を散らしている。

 中央には今時珍しき据え置き型のコンソールが設置、木の根のようにケーブルの四方八方に伸ばしている。

 そして、壁に背を張りつけた体勢で首を右に傾けて、零司の蹴りを回避した明治郎がいた。

「なんじゃんにんじゃもんじゃ! 全て話せ言うおるから、話したと言うのに、途中で蹴り入れる孫がどこにおるか!」

「怪人とばあさんとの馴れ初めにどんな因果関係があるんだよ!」

「そんなもん簡単じゃ! わしとばあさんが出会わなければ、息子は生まれておらん! 生まれておらんのなら考古学者にならず、遺跡から石版を発見しておらんわ!」

 間違っていないが、あらましのスタート地点が明らかに間違っている。

 ともあれと、零司は壁から伸びた足を離せば、改めて問い詰めた。

「いいから、俺が知りたいのは、あの怪人はなんだ? あのアーマーは? 謎の声の正体は? 後、その石版ってなんだよ?」

 聞きたいこと、確かめたいことは山ほどあるが、重要箇所を抜粋して零司は問い質す。

「きゃっらは人類の敵じゃ!」

「OK、今からジジイは俺の敵だ!」

『ヒートアップも程々にするんだ、二人とも!』

 今一度蹴りを放たんとした零司を止めるのは冷ややかな謎の声。

 明治郎も明治郎で応戦せんと、両手で身構えているのだから話は進まない。

 声を出したのは当然であった。

「あ、外れた」

 零司の左腕から腕時計が勝手に外れれば、自力飛行で離れていく。

 向かうはテーブルの上にある台座。

 凹みにベルトを入れ込めば底辺の車輪で動き出した。

「ほれ、零司突っ立ってないで座ったらどうじゃ?」

 明治郎が指先を振るえば、テーブルの前に背もたれつきチェアーが現れた。

「突っ立っている原因を作ったジジイが言うか」

 呆れながらも話を進めるため、零司はチェアーに腰を下ろせば苛立ちながら足を組んでいた。

「ここ、どこだよ?」

「ふふん、秘密基地じゃ! 秘密だから場所はお前でも秘密じゃよ!」

 胸張って意気揚々と語る祖父に零司は眉根をひくつかせた。

「しかも見渡す限り限りどこにも出入り口なんてないし。俺、警察署の屋上にいたはずだぞ?」

「この秘密基地の出入りは量子ワープじゃよ」

「はぁ? ワープ?」

「こっちからあっちにビビューンと空間を跳躍するんじゃ」

「どうやって?」

「量子を使って!」

 ドヤ顔で言われようと理解できるほど零司は賢くない。

 むしろ、明治郎が天才過ぎて理解が追いつかないのかもしれない。

「まあいい、ワープ云々はこの際置くとして」

 量子ワープなど空想の産物でしかない代物を公表すれば技術革新が起こるのだが、現状を抜粋して本質を問い質す。

「このトンデモ腕時計なんだよ? アーマー纏うとんでも機能あるとか聞いてないぞ」

『やれやれ、謎の声の次はトンデモ腕時計か、残念だが私には<Ziズィー>という名前があるのだがな』

 今更自己紹介されても困るのだが、話を進めるため黙過する。

「これもジジイの発明品か?」

「まあ、あたらずといえどもとおからず、じゃのう」

 濁すような解答に零司は察する。

 明治郎の息子、つまりは零司の父親がどこかの遺跡で石版を発掘した。

 その石版を元に明治郎が何らかの発明をした。

 何らかが件のアーマーと考えれば辻褄が合う。

「まあ、おおよそお前さんの察したとおりじゃ。息子が発掘した石版を様々な機器にかけて調査していたところ、どの機器も一定のノイズを走らせてきた。どのノイズも波形は同じ。そこであやつはわしに相談してきたのじゃ。この歳になって息子に頼られるのは親父冥利につきる。ノイズには量子的な信号がこめられておってのう。もしやと思い、逆に量子信号をわしのほうから石版に送ってみたら、見事、この<Zi>から返事があったのじゃ!」

「つまりこの<Zi>ってのはジジイが作ったAIじゃないってことか?」

『呼び捨てとは心外だな。私は器が変わろうとこう見えて紀元前から生きている。もう少し年上に経緯をはら……――』

「あ~分かった。分かった。つまりこいつは超古代文明とか眉唾なものなのか?」

 煩わしく手を払いながら零司は返す。

 年上が偉いなど、いつの時代の話だ。

 確か、昭和や平成の過ぎ去った時代の悪習だろう。

「眉唾いうか、実際にその超古代文明があって、その遺跡から出土されたんじゃよ」

「……待てよ、それならあの、虎とかの怪人共も?」

「察しがよくて本当に助かるわい。その通り、奴らもまた先代の虚無と<Zi>により封印された超古代文明の出だわい」

 流れからして封印されていた超古代文明の怪人が現代に現れた理由は一つしか当たらない。

 つまり、封印が解かれた。

「あれ? なら、なんで今の時代の人間の中から怪人が出てきたんだ?」

 素朴な疑問を零司は漏らす。

 虎の怪人である山田隆は死人なれど現在の人間である。

 親族がいないと神崎が言っていたため、封印が解けてから現世に忍んで生きていたのか。

「そりゃきゃっらが死体の皮を変装用の化けの皮に使ったからじゃよ」

「はぁ? 化けの皮? え、えっとつまり……」

 服を着るように、他人の皮を被っていたことになる。

『奴らは娯楽の一環として人間から皮を剥ぎ、着ぐるみのよう着込んでは人間社会に紛れていた」

「紛れるって、あれか? 怪人だと迫害されるからか?」

 人間、異質なものは排斥されやすい。

 今はともあれ超古代文明での怪人は異形故、排斥されやすかったのだろう。

『いや、集落に入り込むことで中から人間を惨たらしく殺すためだ』

 前言撤回。

 トロイの木馬のように内部から目的を遂げるための道具であった。

『行方不明、あるいは死者が無事に生きていると知れば喜ばぬ者はいない。奴らはそういう人間の心理を突き、絶望に叩きとして殺すのを何よりの至福としている』

「きゃっらにとってわしら人間はただの玩具おもちゃじゃよ。それも殺すしか価値のない玩具じゃ」

「お、玩具、だと?」

 ふと零司の中で虎怪人との戦闘がリフレインする。

 よくよく思い返せば、あの虎怪人はどこか殺害を楽しむ節があった。

 娯楽ならば違和感なく納得できる。できてしまう。

「娯楽で人が殺せる、の、か……」

 いや、殺せる。

 同じ人間ですら、人間と思わず殺せるのだ。

 遊んでいたわけであって、殺すつもりなどなかった、などよく聞く詭弁である。

「きゃっらは……そうじゃのう」

 明治郎は白い天井を見上げながら顎に手を当て黙考する。

「お前さん、ラピュータという浮遊大陸は知っておるか?」

「ラピュータ? ラピュタなら」

 空中都市を扱った今なお語り継がれ、時折民放で放映されるなど名作の一つである。

「まあ、それのモデルじゃよ。超古代文明期、きゃっら怪人は高度な科学文明にて大陸一つを浮かばせるほど栄華を極めておった。特殊な血を用いることで老いも死もない不老不死を実現させた一方、日々を退屈に過ごしておったそうじゃ」

『奴らは暇潰しで地上に住まう人々に雷を落としては、逃げ惑い雷に焼かれる姿を高見から笑っていた』

「きゃっらにとって地上に住まう人間は蟲じゃ。プチプチ潰して楽しむ娯楽の素であり、見下げる対象でもあったのじゃよ」

 古今東西、空や天を扱った作品では、その場所の住人は神に近き天に住まうことで傲慢に至り、地上の人々を見下す傾向にある。

 天に住まうからこそ自らを神あるいは選ばれた民だと錯覚してしまう。

『奴らは雷を落として遊ぶのに次第と飽き、次の娯楽として自らの肉体改造に移った』

「改造?」

「特撮とかSFとかにある改造人間じゃよ。自らに流れる不老不死の血を触媒にして地上にある生物の遺伝子を肉体と融合、誕生するは不老不死の怪人じゃ」

「改造人間ってなら、あいつら元は人間なのか!」

 薄々とだが感じてはいた。

 人間が人間を殺すなど、零司は奥歯を噛みしめる。

 確かに、今の時代、殺人、テロ、紛争がゼロになったわけではない。

 日本はともあれ、発生するところは発生している。

「きゃっらにとって同類と扱われるのは最大の侮蔑じゃよ。不死でもない。不老でもない。ケガをし病気にかかる地の人間は天に住まうきゃっらにとって劣等の血を持つ蟲でしかない」

 始まるのは天による地の鏖殺であった。

 現在の武器ですら歯の立たぬ相手に当時の人間が相手にできるはずない。

 逃走、服従など無駄であり、ただ娯楽のために殺される。

『脆く、すぐ死ぬ人間にまたしても飽きが来た。ならばと奴らは自分たちの血と相反となる血を玩具に込めれば、地上に落とすことで娯楽の起爆剤とした』

 それこそが先代の虚無がまとっていたアーマーであり<Zi>である。

『私はアーマーに宿る意志として奴らに生み出された。劇に例えるなら力なき民衆を守るヒーローの案内役だ』

 道具の使い方が分からぬ地上の蟲に使い方を導く案内役、それが<Zi>であった。

「じゃがのう、アーマー内に流れる相反する血――感応流体エネルギー<ゼロブラッド>はきゃっらへの猛毒故に、地の人間にとっても猛毒じゃった。制御装置もなければ一度身につければ死ぬまで着脱できん」

 天の娯楽として作り出された故に。

 アーマー内で血液のように循環するゼロブラッドは、天の怪人にダメージを与えるも装着者の肉体を蝕んだ。

 ただ循環するエネルギーは装着者の命を削る危険極まりない代物であった。

「おいおい、なら俺は!」

「落ちつかんか、孫よ。現にアーマーは脱げとるじゃろう。今のアーマーにはわし手製の制御装置がしっかりと組み込まれておる」

 少なくとも祖父の発言に偽りはなく、命が削られる心配はないようだ。

『ゼロブラッドは感情に呼応するエネルギーだ。装着者の精神と深く密接してその出力を上下させる。ハルアーマーとなったのも、君の混乱する精神を制御装置が感知した結果だよ』

 ここで零司は腕を組み、天井を見上げながら要点を整理した。

「……精神に反応するトンデモエネルギーで、怪人には猛毒、人間にもだけどさ……ハルアーマーって万が一の暴走を抑える拘束具を兼ねているとか、あの時<Zi>言っていたよな? なら、俺がしっかりとした戦う覚悟を抱いたら、どうなるんだ?」

「そりゃのう」

『うむ』

 ジジイと時計は互いに顔を見合わせては頷くだけである。

「あ~そう、話す気はないと!」

 物理的に問い詰めても口を割らないだろう。

 呆れをため息に混じらせて吐いた時、もう一つの疑問を抱く。

「アーマーってどうやって出し入れしてんだ? 量子ワープでこの秘密基地から転送しているのか?」

「うんや、<Zi>の腕時計の中に量子分解して内包されておる」

「また量子?」

「うんぬ、また量子」

 質問終了。

 なんでもかんでも量子とつけて解決させる気だ。

 あっけらかんとした沈黙が空間に流れ、ただ離れた位置より工作機械の作業音が響くだけであった。

「よし、話を戻そう!」

(このクソジジイ!)

 零司は頬を震えさせて悪態つく。

 場所が秘密基地だから、秘密主義を通したい美学でもあるのか。

 知りたい話は全く来ず、秘密の多さが腹に来る。

『奴らの思惑通り、アーマーは娯楽の起爆剤となった。当時の人々にとって装着すれば死に至るアーマーだろうと唯一の対抗策に纏わずにはいられない。だが奴らに調整された<ゼロブラッド>だからこそ、致命打を与えられない。彼がアーマーを纏うまではね』

「彼、つまりは先代の虚無か」

『そうだ。下手をすれば天文学的な確率より低いはずのアーマーに適合した。着脱はできぬとも完全に適合したことで命を削られることなく、内に流れる血の力を使いこなし、奴らを一人残らず封印することに成功する』

「なるほどね、見下す地の人間に一人残らず封じらられれば、そりゃ怨むわな」

 格下と侮っていた玩具に一矢報いられれば屈辱であり当然、怨みは積もる。

『そして、先代の虚無は空中都市もまた封印し、自らを封印の楔として永き眠りについた。後世に警告と虚無の血を伝えるため私を石版に移して』

「でも目覚めたんだろう?」

 身も蓋もない話であるが、残念にも封印は解かれ、現世に怪人は蘇った。

 封印が解かれた以上、楔となった先代は恐らく生きていないだろう。

「ほれ、封印場所じゃよ」

 明治郎が指を弾けば天井から光が投影され、映像を映し出す。

 森丸ごと引っこ抜いたような巨大な陥没痕が大地に刻まれていた。

 場所はユーラシア大陸奥地のようだ。

「――ってここ、親父たちと一週間前までいた場所じゃねえか!」

 リンクスに残された移動記録と映像の座標は一致している。

 記憶が正しければ石造りの建造物が地に埋もれていたはずだ。

 地下深くに埋まるほど広大な遺跡故、調査に時間がかかった記憶があるも、ゲリラ襲撃で中断せねばならなかった。

「お前さん、ここでゲリラに襲われてリンクス壊されたんじゃろう?」

「まあな、後のニュースでゲリラと正規軍の小競り合いがあったとも……まさか!」

 封印が解けてしまった理由を零司は見抜いてしまった。

『悲しきかな、その小競り合いが原因で封印の楔は外れ、奴らは現世に蘇った。そして、この遺跡こそ、奴らが根城にしていた浮遊大陸だ』

「まあわしらは封印が解けるのを見越して二〇年前から準備をこしらえてきた。よもや零司の代できゃっらが現れるとはのう」

「な~にが準備していただよ! お陰で壱子とこだまは危ない目にあったんだぞ! 二人だけじゃない! 関係ない大勢の人間が殺された! おい、ジジイ、なんでそんな脅威、公表しなかったんだ!」

「んなもん、公表して見ろ。わしは天才発明家から奇人変人扱いで病院送りじゃよ。それに封印は破られぬことが前提じゃ。アーマーは万が一の保険! 破られた今、既に賽は投げられておる。零司、お前が皆を助けるヒーローとなるんじゃ!」

 選ばし者だからとか、覚悟とか云々の問題ではない。

 選択の余地なく白羽の矢を零司に突き刺している。

「どうして、俺がアーマーを纏えたんだ?」

 祖父が変わり者の発明家である以外、普通の家、普通の家族のはずだ。

 一瞬だけ、実は先代虚無の子孫だから、と考えるもどこか腑に落ちない。

「単純に、三年前からお前に合うよう調整し続けていたからじゃよ。先代のアーマーは無我の境地に常時至れる者でなければ纏えんが、わしが改良したアーマーは調整さえできれば誰でも纏うことができる」

 零司の目線は自然と台座にはまった腕時計に向けられていた。

『ごく微量であるがこの腕時計にはアーマー内と同じゼロブラッドが充填されている。君は疑問に思ったはずだ。何故、ベゼルを回しただけで何倍もの力を引き出せたのか? 少しずつ身体に馴染ませることでアーマーと完全適合できるよう調整されてきたのだよ』

「ワクチン打って抗体作るのと同じ原理か」

 毒を薄めれば薬となる。

 薬を濃くすれば毒となる。

 昔から言われることだが、選ばれた理由にならない。

「まあ運命だと思って受け入れて」

「ざけんな!」

『うおっ!』

 零司は苛立ちのあまり、机を蹴りつける。

 だが、しっかりと固定された机はびくともせず、蹴りの衝撃で腕時計の台座と声が多少跳ね上がった程度だ。

「確かにジジイと腕時計のお陰で色々と助かった。アーマーなければ死んでいた。壱子やこだまだって死んでいただろうよ、けどよ、相談もなくいきなり戦えとか、なんだそれ、俺は創作物の主人公かよ!」

 ただ発掘調査で三年間世界を回った一八の少年である。

 バカがつくほどの空手の達人でも、頭脳明晰の天才物理学者でもない。

 かといって、改造人間でもなければ、確定未来の王様でもない。

 ごく普通の妹と幼なじみ想いの人間だ。

「なら、お前さんはタダ殺されるのか?」

「そ、それは……」

 虚を突かれたように零司は口ごもる。

 頭では理解している。

 殺されたくない。生きたい。

 誰もが当然持つ権利だ。

 ただ、自分が戦わなければならぬ理由に整理がつかず、身体は拒否を起こしている。

「わしが後五〇年若ければ、戦っておったのはわしじゃった。もちろん、お前に背負わせたことは済まないと思っている」

「しおらしい顔すんなよ、気持ち悪い」

 演技臭いため、素直に受け入れられない。

 これ以上問答を繰り返しても空気を悪化させるだけだろう。

 よって零司は最後に一つ問うことで場を〆んとした。

「最後に一つ、その怪人はなんて種族なんだ?」

 祖父と<Zi>は声を揃えた。


 天の血族、と。


 天に至ったことで傲慢と力に溺れ、虚無に封じられた不老不死の血族であると。

 そして、内に流れる天なる不老不死の血をユニブラッドと呼び、アーマーに流れるゼロブラッドとは対の関係。

 異なる血液が混ざり合えば凝固するように、異なるブラッドが混ざり合えば対消滅を起こして消失する。

 これこそ、殺せぬ不死者を殺す原理であった。 

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