始まりから熱いバトルシーンが展開されて、息づく暇もなく話が進んでいき、気がついたら物語の中にとっぷりと入り込んでいる……そういう感じの作品だと思います。
また登場する人物(これは正確な表現ではないと思いますが、ネタバレになる可能性があるため、あえてこう表現させて頂きます)や、世界観が内包する「謎」の正体が徐々に明らかになると、それがより物語の世界へ現実味を与え、濃厚にしてくれます。
特に《英雄と宿敵の章》のテーマとも言える「英雄とは何か、英雄を英雄たらしめるのに必要なものとはなにか」に関して、その隠された真実が語られたときは、体中に戦慄が走りました。
そして今連載中の《魔女の章》は新しい場所を舞台に、また新たな人物が登場して、物語の世界観が更に広がった感じです。
なにより《魔女の章》で確認された、魔女と魔女の使徒、妖魔、そして英雄の存在が互いにどう絡んでくるのか、前章の《英雄と宿敵の章》と見比べながら読むのも、一つの面白いポイントではないかと思っています。