第四話 13-13
7
日が落ちた学園内は、どこか独特の雰囲気に包まれていた。
校庭では
色々あったものの無事に『
今は──後夜祭の真っ最中だった。
「わ、見て見て、せんせー。炎がすっごく高くあがってる!」
「あ、本当だ」
「
俺たちは笑い合いながら、屋上から校庭の様子を眺めていた。
周りには他の生徒たちの姿はなく、二人だけである。
あの後も──
その際に昨日の一件に触れられることもあったけれど、あらかじめ打ち合わせてあった通り、あれはドッキリだったとして通した。もともと
そして今、
──『
『ぽろりもあるよ! 〝アキバ系〟大クイズ大会』の優勝を通して、無事に引き継ぐことになった称号だ。
これでこれからも、
無事に〝秘密〟を守り通すことができた。
色々あったけど(本当に)……うん、これで一件落着だ。
「……それにしても、本当にありがとう。せんせーがいなかったら、もうだめだった」
と、
「〝秘密〟が隠せなくなって、お姉ちゃんの道を
「そんなことないって。
それは、何もしていないとは言うつもりはないけど(グロッグロッグロッ)、それでもこの結果が導き出された一番の要因は
常日頃から勉強に習い事に〝アキバ系〟に励んで、
その努力の下地があったからこそ、リカバリーができたのだ。
だけど
「ううん……そうだとしても、せんせーがいてくれたから、投げ出さないでやれたんだよ。せんせーが
「
「何だろ……せんせーはやっぱり王子さまなのかな?」
そう小さく笑うと、
「ね、せんせー、わたしたちも踊ろうよ」
「え?」
「ほら、せっかくの後夜祭なんだから。ね?」
そう言う
そしてたどたどしいながらもダンスを踊ろうと試みる。
遠くから響く音楽、うっすらとオレンジ色に染まった屋上、
この上なくいい雰囲気なのに、うーん、フォークダンスとか踊ったことがないから壊れかけたペッ●ーくんみたいになってしまいますね……
「こうやって……お母さんも、踊ったんだって」
「え?」
と、
「文化祭の後の後夜祭……お母さんもお父さんもここの、
「そうなんだ……」
「うん。とっても素敵だったって、今でも忘れられない〝秘密〟の思い出だって、昔そう言ってた……」
どこか憧れるように空を見上げる。
「……わたしも……お母さんたちみたいになれたらいいな……」
「?」
「あ、う、ううん、何でもないよ!」
慌てたように
そして話題を変えるようにこう口にした。
「あ、そういえば、〝秘密〟といえばね。実は……せんせにもまだ言ってない〝秘密〟、たくさんあるんだよ~」
「え?」
まだあるの!?
これだけたくさんニョキニョキと雨後のタケノコみたいに出てきたのに、けっこう秘密レベルの高いものもあったのに、まだ……??
「ち、ちなみにそれって、どんな……?」
俺が
「──、だよ」
「!?!?」
え、そ、それ……
どうしよう、まさかそんな思ってもみなかったことを聞かされるなんて。一人で背負うには重すぎるよ……
「あ、でもね、それよりも大事な〝秘密〟、できちゃったかもしれない」
「え……?」
い、今のあれらよりもさらに大事な……?
それって何!? 地球
「それはね、せんせーのことが……」
何かを言いかけて、だけど
「……ううん、やっぱり言わな~い」
「え?」
「うん、これはせんせーにはまだ教えられないかな。またの、お楽しみ♪」
「え、え?」
さらに混乱する俺に。
「──〝秘密〟、だよ♪」
・
???
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